“町端”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まちはず41.7%
まちはずれ25.0%
まちはな12.5%
まちはづ8.3%
まちはづれ8.3%
まちは4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
去年岡山の町端まちはずれに避難していた頃、同行のS氏は朝夕炊事の際片手に仏蘭西文典をひらき、片手の団扇うちわで七輪の火をあおぎながら
仮寐の夢 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
而して、町端まちはずれの寺などに行って、落葉の降る墓場の中に立って、足下あしもとのその名も知らない冷たな墓石をなでて考え込む。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
停車場を出て橋を一つ渡ると、直ぐそこに町端まちはならしい休茶屋や、運送屋の軒に続いてくすぶりきった旅籠屋はたごやが、二三軒目についた。石楠花しゃくなげや岩松などの植木を出してある店屋みせやもあった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
が、目貫めぬきまちぎた、次第しだい場末ばすゑ町端まちはづれの——とふとすぐにおほきやまけはしさかります——あたりで。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
くるまはやがて町端まちはづれを離れて、暗い田舎道へ差懸さしかゝつた。くろい山の姿が月夜の空にそゝり立つて、海のやうに煙つた青田から、蛙が物凄くきしきつてゐた。
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
なかんずく、錦明宝きんめいほうという剣葉畝目地白覆輪けんばうねめじしろふくりんの万年青をなめずらんばかりに大切にし、どこの町端まちはの『万年青合せ』にも必ず持って出かけて自慢の鼻をうごめかす。
顎十郎捕物帳:02 稲荷の使 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)