永井壮吉
1879.12.03 〜 1959.04.30
著者としての作品一覧
吾妻橋(新字旧仮名)
読書目安時間:約13分
毎夜吾妻橋の橋だもとに佇立み、徃来の人の袖を引いて遊びを勧める闇の女は、梅雨もあけて、あたりがいよ/\夏らしくなるにつれて、次第に多くなり、今ではどうやら十人近くにもなつてゐるらし …
読書目安時間:約13分
毎夜吾妻橋の橋だもとに佇立み、徃来の人の袖を引いて遊びを勧める闇の女は、梅雨もあけて、あたりがいよ/\夏らしくなるにつれて、次第に多くなり、今ではどうやら十人近くにもなつてゐるらし …
歓楽(旧字旧仮名)
読書目安時間:約52分
………人は幾度も戀する事が出來るだらうか。唯た一度しか出來ないと、女性は必ず云ひ張るに違ひない。男でも古臭いロマンチツクな夢から覺めないものは、矢張り同じやうな事を云ふかも知れない …
読書目安時間:約52分
………人は幾度も戀する事が出來るだらうか。唯た一度しか出來ないと、女性は必ず云ひ張るに違ひない。男でも古臭いロマンチツクな夢から覺めないものは、矢張り同じやうな事を云ふかも知れない …
出版屋惣まくり(新字旧仮名)
読書目安時間:約7分
文学書類を出版する本屋も私は明治三十四五年頃から今日まで関係してゐることだから話をしだせば限りがないくらい沢山あります。文学者の方から見れば本屋といふものは概して不愉快なものさ。口 …
読書目安時間:約7分
文学書類を出版する本屋も私は明治三十四五年頃から今日まで関係してゐることだから話をしだせば限りがないくらい沢山あります。文学者の方から見れば本屋といふものは概して不愉快なものさ。口 …
断腸亭日乗:01 〔はしがき〕(新字旧仮名)
読書目安時間:約1分
此断腸亭日記は初大正六年九月十六日より翌七年の春ころまで折〻鉛筆もて手帳にかき捨て置きしものなりしがやがて二三月のころより改めて日日欠くことなく筆とらむと思定めし時前年の記を第一巻 …
読書目安時間:約1分
此断腸亭日記は初大正六年九月十六日より翌七年の春ころまで折〻鉛筆もて手帳にかき捨て置きしものなりしがやがて二三月のころより改めて日日欠くことなく筆とらむと思定めし時前年の記を第一巻 …
断腸亭日乗:02 断膓亭日記巻之一大正六年丁巳九月起筆(新字旧仮名)
読書目安時間:約9分
荷風歳卅九 ◯秋雨連日さながら梅雨の如し。夜壁上の書幅を挂け替ふ。 碧樹如烟覆晩波。清秋無尽客重過。故園今即如烟樹。鴻雁不来風雨多。姜逢元 等閑世事任沉浮。万古滄桑眼底収。偶□心期 …
読書目安時間:約9分
荷風歳卅九 ◯秋雨連日さながら梅雨の如し。夜壁上の書幅を挂け替ふ。 碧樹如烟覆晩波。清秋無尽客重過。故園今即如烟樹。鴻雁不来風雨多。姜逢元 等閑世事任沉浮。万古滄桑眼底収。偶□心期 …
断腸亭日乗:03 断膓亭日記巻之二大正七戊午年(新字旧仮名)
読書目安時間:約31分
荷風歳四十 例によつて為す事もなし。午の頃家の内暖くなるを待ちそこら取片づけ塵を掃ふ。 暁方雨ふりしと覚しく、起出でゝ戸を開くに、庭の樹木には氷柱の下りしさま、水晶の珠をつらねたる …
読書目安時間:約31分
荷風歳四十 例によつて為す事もなし。午の頃家の内暖くなるを待ちそこら取片づけ塵を掃ふ。 暁方雨ふりしと覚しく、起出でゝ戸を開くに、庭の樹木には氷柱の下りしさま、水晶の珠をつらねたる …
断腸亭日乗:04 断腸亭日記巻之三大正八年歳次己未(新字旧仮名)
読書目安時間:約41分
荷風年四十一 曇りて寒き日なり。九時頃目覚めて床の内にて一碗のシヨコラを啜り、一片のクロワサン(三日月形のパン)を食し、昨夜読残の疑雨集をよむ。余帰朝後十余年、毎朝焼麺麭と咖琲とを …
読書目安時間:約41分
荷風年四十一 曇りて寒き日なり。九時頃目覚めて床の内にて一碗のシヨコラを啜り、一片のクロワサン(三日月形のパン)を食し、昨夜読残の疑雨集をよむ。余帰朝後十余年、毎朝焼麺麭と咖琲とを …
断腸亭日乗:05 断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申(新字旧仮名)
読書目安時間:約21分
荷風年四十有二 間適の余生暦日なきこと山中に在るが如し。午後鷲津牧師来訪。この日風なく近年稀なる好き正月なり。されど年賀に行くべき処なければ、自炊の夕餉を終りて直に寝に就く。 快晴 …
読書目安時間:約21分
荷風年四十有二 間適の余生暦日なきこと山中に在るが如し。午後鷲津牧師来訪。この日風なく近年稀なる好き正月なり。されど年賀に行くべき処なければ、自炊の夕餉を終りて直に寝に就く。 快晴 …
断腸亭日乗:06 断腸亭日記巻之五大正十年歳次辛酉(新字旧仮名)
読書目安時間:約25分
荷風年四十三 くもりて寒し。雪猶降り足らぬ空模様なり。腹具合よろしからず。炉辺に机を移して旧年の稿をつぐ。深更に至り雨降る。 雨歇まず門前年賀の客なく静間喜ふべし。夜風あり。 朝の …
読書目安時間:約25分
荷風年四十三 くもりて寒し。雪猶降り足らぬ空模様なり。腹具合よろしからず。炉辺に机を移して旧年の稿をつぐ。深更に至り雨降る。 雨歇まず門前年賀の客なく静間喜ふべし。夜風あり。 朝の …
花より雨に(旧字旧仮名)
読書目安時間:約8分
しづかな山の手の古庭に、春の花は支那の詩人が春風二十四番と數へたやう、梅、連翹、桃、木蘭、藤、山吹、牡丹、芍藥と順々に咲いては散つて行つた。 明い日の光の中に燃えては消えて行くさま …
読書目安時間:約8分
しづかな山の手の古庭に、春の花は支那の詩人が春風二十四番と數へたやう、梅、連翹、桃、木蘭、藤、山吹、牡丹、芍藥と順々に咲いては散つて行つた。 明い日の光の中に燃えては消えて行くさま …
人妻(新字旧仮名)
読書目安時間:約16分
住宅難の時節がら、桑田は出来ないことだとは知つてゐながら、引越す先があつたなら、現在借りてゐる二階を引払ひたいと思つて見たり、また忽気が変つて、たとへ今直ぐ出て行つて貰ひたいと言は …
読書目安時間:約16分
住宅難の時節がら、桑田は出来ないことだとは知つてゐながら、引越す先があつたなら、現在借りてゐる二階を引払ひたいと思つて見たり、また忽気が変つて、たとへ今直ぐ出て行つて貰ひたいと言は …
冬日の窓(新字旧仮名)
読書目安時間:約15分
○ 窓の外は鄰の家の畠である。 畠の彼方に、その全景が一目に眺められるやうな適当の距離に山が聳えてゐる。 山の一方が低くなつて樹木の梢と人家の屋根とに其麓をかくしてゐるあたりから、 …
読書目安時間:約15分
○ 窓の外は鄰の家の畠である。 畠の彼方に、その全景が一目に眺められるやうな適当の距離に山が聳えてゐる。 山の一方が低くなつて樹木の梢と人家の屋根とに其麓をかくしてゐるあたりから、 …
偏奇館吟草(新字旧仮名)
読書目安時間:約24分
De la musique avant toute chose —— Paul Verlaine. 詩は何よりも先音楽的ならむことを。ポール、ヴヱルレーヌ 嗤ふなかれ怪しむなかれ。 …
読書目安時間:約24分
De la musique avant toute chose —— Paul Verlaine. 詩は何よりも先音楽的ならむことを。ポール、ヴヱルレーヌ 嗤ふなかれ怪しむなかれ。 …
“永井壮吉”と年代が近い著者
今月で生誕X十年
ラデャード・キプリング(生誕160年)
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徳永保之助(没後100年)
エドワード・シルヴェスター・モース(没後100年)
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木下利玄(没後100年)
富永太郎(没後100年)
エリザベス、アンナ・ゴルドン(没後100年)
徳永保之助(没後100年)
後藤謙太郎(没後100年)
エドワード・シルヴェスター・モース(没後100年)