『花より雨に（はなよりあめに）』

しづかな山の手の古庭に、春の花は支那の詩人が春風二十四番と數へたやう、梅、連翹、桃、木蘭、藤、山吹、牡丹、芍藥と順々に咲いては散つて行つた。 明い日の光の中に燃えては消えて行くさま／″＼な色彩の變轉は、默つて淋しく打眺める自分の胸に悲しい戀 …

著者	永井壮吉
著者	永井荷風
初出	「秀才文壇　第九卷第拾八號（臨時増刊）」1909（明治42）年8月
文字種別	旧字旧仮名
読書目安時間	約8分（500文字/分）
朗読目安時間	約12分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

家中（いへぢゆう） 夜中（よるぢゆう） 下（さが） 破（こは） 植込（うゑごみ） 幼少（ちひさ） 家（いへ） 誰（た） 舞姫（バレヱ） 後（うしろ） 落（おち） 家（や） 襤褸（らんる） 午前（ひるまへ） 雨滴（あまだ） 蝕（く） 蛞蝓（なめくぢ） 蟇（ひき） 苛（さいな） 連翹（れんげう） 耽（ふ） 電燈（でんき） 獨（ひとり） 濕氣（しつき） 此方（こなた） 何（なん） 何處（いづこ） 晩（おそ） 來（く） 戸外（おもて） 午後（ひるすぎ） 梅雨（ばいう） 尾（つ） 黄昏（たそがれ） 餘程（よほど） 雨滴（あまだれ） 避（よ） 賣聲（うりごゑ） 唐傘（からかさ） 詞（ことば） 孤兒（みなしご） 室（へや） 平素（ふだん） 彼方（かなた） 戰（そよ） 芍藥（しやくやく） 時雨（しぐれ） 翌年（よくねん） 繼母（まゝはゝ） 木葉（このは） 燈火（ともしび） 柚色（ゆずいろ）

題名が同じ作品

花より雨に （新字旧仮名）／ 永井荷風 （著）