“破”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やぶ31.9%
わ28.3%
や18.4%
こわ8.2%
やぶれ2.6%
こは2.3%
やれ1.6%
は1.4%
ぱ1.4%
ば0.9%
あば0.7%
さ0.5%
やぶっ0.3%
われ0.3%
いた0.2%
か0.2%
くだ0.2%
こぼ0.2%
やぶる0.2%
わり0.2%
ヤブ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高窓(たかまど)の障子(しょうじ)の破(やぶ)れ穴(あな)に、風(かぜ)があたると、ブー、ブーといって、鳴(な)りました。もう冬(ふゆ)が近(ちか)づいていたので、いつも空(そら)は暗(くら)かったのです。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
頭の頂上(てっぺん)にチクチク痛んでいる小さな打ち破(わ)り疵(きず)が、いつ、どこで、どうして出来たのかイクラ考えても思い出し得ないのであった。
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
月も日も刻も同じ七月の十五日の夜、庭窪の蘇州庵という破(や)れ唐館で同じように朱房の匕首で背中を後から突かれて死んでおりました
それからその前お茶の手前が上がったとおっしゃって、下すったあの仁清(にんせい)の香合(こうごう)なんぞは、石へ打(ぶ)つけて破(こわ)してしまうからいいわ。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
と、葭簀(よしず)を出る、と入違いに境界の柵の弛(ゆる)んだ鋼線(はりがね)を跨(また)ぐ時、莨(たばこ)を勢(いきおい)よく、ポンと投げて、裏つきの破(やぶれ)足袋、ずしッと草を踏んだ。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
栗色に塗られたペンキは剥(は)げて、窓の硝子(ガラス)も大分破(こは)れ、ブリキ製の烟出(けむだし)も錆腐(さびくさ)ツて、見るから淋しい鈍い色彩の建物である。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
さばれ破(やれ)がねならぬ祇園精舍の鐘を聞くものは、待人戀ひしともおもひ、寂滅爲樂とも感ずべけれど、其聲の美に感ずるは一なり。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
けれど、その速度にも、楽器の音階のように、徐(じょ)、破(は)、急(きゅう)があった。風が加われば急になり、地の雪を捲いて旋風(つむじ)になると、破を起す。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これが西洋の習慣なのである。日本ではあることないこと何でも構わずに素(す)ッ破(ぱ)ぬく事は悪いことでも耻ずべき事でもないとされている。
裸体談義 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「否(いや)、破(ば)れたら破れたでもう宜いよ。時に三輪、君は昨夜の電報は打ったろうね?」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
死にもしかねない有様に、当時、草茫々(ぼうぼう)とした、破(あば)ら家(や)を生麦に見つけだして、そこに連れて来てあげて、やっと心持ちを柔らげさせたのではなかったか。
柳原燁子(白蓮) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
草人は心臓が破(さ)けさうな声をして叫んだ。だが感謝せよ、草人の心の臓はそんな事で破(さ)ける程脆弱(やに)つこくは出来てゐなかつた。
唯(ただ)一片(いっぺん)の御(お)布令だけの事であるから、俗士族は脇差(わきざし)を一本挟(さ)して頬冠(ほほかむ)りをして颯々(さっさつ)と芝居の矢来(やらい)を破(やぶっ)て這入(はい)る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
彼は子供が母に強請(せび)って買ってもらった草花の鉢などを、無意味に縁側から下へ蹴飛(けと)ばして見たりした。赤ちゃけた素焼(すやき)の鉢が彼の思い通りにがらがらと破(われ)るのさえ彼には多少の満足になった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
此間廿町ばかりなるも、泥水の溜まるあり、或は道路の破(いた)む処ありて歩行甚だ究するも、漸く二宮家に着するを得たり。然るに尊親氏は不在なり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
わが世界と他(ひと)の世界と喰い違うとき二つながら崩れる事がある。破(か)けて飛ぶ事がある。あるいは発矢(はっし)と熱を曳(ひ)いて無極のうちに物別れとなる事がある。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
徳久利でどうして舂くのかといったら、薬研では玄米(こめ)が破(くだ)けてしまうから、貧乏徳久利で舂くのだといった。
又仏の像を造ること既に訖(をは)りて、堂に入るることを得ず、諸々(もろもろ)の工人(たくみ)計ること能(あた)はず、将(まさ)に堂の戸を破(こぼ)たむとせり。然るに汝、戸を破(こぼ)たずして入るることを得つ。此れ皆汝が功(いさをし)なり。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
天忠が拾上げ養育なし奉(たてま)つり其後當所(たうしよ)美濃國常樂院へ轉住(てんぢう)の頃も伴(とも)なひ奉つりたれば御成長(せいちやう)は美濃國(みのゝくに)と申立なば誰(たれ)有て知者あらじ然すれば紀州の調(しら)べも平野村の糺(たゞし)も無して事の破(やぶる)る氣遣(きづかひ)なし此儀如何にと申ければ三人は感(かん)じ入誠(まこと)に古今の妙計(めうけい)と一同是に同じける此時常樂院また申けるは今天一を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
按(あんず)るに、松山かゞみのうたひは鏡破(わり)の絵巻(ゑまき)といふものを原(もと)として作(つく)れるならん、此ゑまきにも右の松の山の事見えたり。さて松の山の庄内に菱山といふあり、山の形三角なるゆゑの名なるべし。
凡隊中ノ事 一切隊長ノ処分(シヨブン)ニ任ス 敢テ或ハ違背(イハイ)スル勿レ 若(モシ)暴乱(ボウラン)事ヲ破(ヤブ)リ 妄(モウ)謬害(リヤウガイ)ヲ引(ヒク)ニ至テハ 隊長其死活(シクハツ)ヲ制(セイ)スルモ亦許(ユル)ス
海援隊約規 (新字旧仮名) / 坂本竜馬(著)