“あば”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アバ
語句割合
33.2%
29.6%
11.5%
7.3%
5.1%
2.4%
2.4%
2.1%
1.5%
1.2%
暴露0.6%
泛子0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
発掘0.3%
阿波0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
又お前の信仰の虚偽をあばかれようとすると「主よ主よというものことごとく天国に入るにあらず、吾が天にまします神の旨にるもののみなり」
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
あばれるやつをグイと握ってびくに押し込む時は、水に住む魚までがこの雨に濡れて他の時よりも一倍鮮やかで新しいように思われました。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
兄の留守のまに、お柳は時々あばれ出して、年った母親をてこずらせた。近所から寄って来た人々と力をあわせて、母親はやっと娘を柱に縛りつけた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
此筆を燒き此塚をあばき一葉の舟を江河に流せば、舟は斷崖のもとを流れて舟中に二人の影あるべし。御かへりごとこそ待たるれ。かしこ
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
青年共産党の委員会で作つた調査は、それ等の学校の悲惨をあばいた。其の報告はペトログラアドで一九二〇年五月のプラウダに発表された。
死んだ魂 (新字旧仮名) / エマ・ゴールドマン(著)
女は、見る見るうちに、喉の傷口をあばかれ、胸から腹部へと、次々にあばかれて行くのでした。
島原心中 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
泊りを求めたあばら家で夜半あやしき煙りが立つから破れ障子から奥の間を覗いて見ると
ばア様といふ綽名は又如何いかにもそのこせ/\した性情をよく象徴してゐて、実に小言好きの野卑な男で、私の旧悪を掘り出して人毎にあばくことを好んだ。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
……では、どんな方法で陳東海がかような奇ッ怪超自然の殺人を行ッたのかと申しますと、からくりをあばいて見れば、実にもう子供騙こどもだまし同然の仕掛。
浪花なにはの町はづれ、俳諧師鬼貫のわび住居。軒かたむき縁朽ちたるあばら家にて、上の方には雪にたわみたる竹藪あり。下の方の入口には低き竹垣、小さき枝折戸あり。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
彼奴等の迫害の無益を暴露あば
歩哨戦 (新字新仮名) / 今村恒夫(著)
今でも記念にして家にあるが、それは男鹿の漁船の網の泛子あばであって、海上安全戸賀港何の某とある。その時からして戸賀へはぜひ行ってみたいと考えていたのである。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そんなものはないかと気を付けているうちに、ふと目に入ったのは一個の泛子あばである。一方に「南秋田郡男鹿戸賀港」の文字が幽かに見え、他の面には「海上安全漁村繁昌云々」と書いてある。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
自国じこくの名誉をほこる者あれば、自国の短所をあばく者あり、実に勝手な説をいて独り学校卒業生のみならず全体の公衆に訴える。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
鸚鵡蔵という怪体けったいな土蔵があるとのこと、しめた! そういう土蔵むすめの胎内にこそ、とんだ値打のある財宝はららごがあるってものさ、こいつアあばかずにゃアいられねえと、十日あまりこの辺りをウロツキ廻り
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
逆上し切ってお先真暗なことに於て、あばうまばかりを笑われませんでした。幾分の余裕を存して追いかけて来たつもりの米友自身すらも、この時分はかなり目先がもうげんじていました。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
其中そのなかの一人は同じ村外れの一軒のあばから金色きんいろの光りが輝きいでるのを見て不思議に思つてうかがつて見ますと何様どうでせう
金銀の衣裳 (新字旧仮名) / 夢野久作(著)
わたくしは亡友の文疵ぶんしあばくに意あるものではない。わたくしは今も猶思軒の文を愛好してゐる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
廊下や部屋の樣子は、油屋で呑み込めてゐたから、ズン/\入つたり𢌞つたりして、鏡臺や手匣てばこの類をあばき探した。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「利助どんも大分に評判がえいからおれもすっかり安心してるよ、もうあばれ出すような事あんめいね」
姪子 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
なぜならば、何たる因果か、王家の墳墓ふんぼといえば、ひつぎの中まで珠玉しゅぎょく珍宝ちんぽうを詰めこんでゆくものだから、秦朝の墳墓といい、漢室の墳墓といい、王妃の墓で発掘あばかれていないところはない位だ
人間山水図巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近年になっては一般に、常陸坊は天狗だと信じられていた。常陸国の阿波あばの大杉大明神だいみょうじんも、この人を祭るという説があり、特別の場合のほかは姿を見ることができなかった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)