“阿波”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あわ83.3%
あは7.4%
あば1.9%
あわの1.9%
あんば1.9%
むこう1.9%
アワ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三好の残党は、病人の足利義栄よしひでをかかえて、海路を阿波あわへ逃げ落ち、松永弾正だんじょう久秀も、とうとう屈して、信長の陣門に、降を乞うた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
赤松氏の亡びた時とは、恐らくは赤松則房あかまつのりふさ阿波あはで一万石をんでゐて、関が原の役に大阪にくみし、戦場を逃れて人に殺された時をつたものであらうか。
椙原品 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
近年になっては一般に、常陸坊は天狗だと信じられていた。常陸国の阿波あばの大杉大明神だいみょうじんも、この人を祭るという説があり、特別の場合のほかは姿を見ることができなかった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
船を連らねて四国に渡れば、阿波あわの民部重能しげよしの指図で讃岐の屋島の磯に形ばかりの内裏や御所が急造された。
常陸ひたちの国、河内郡こうちごおり阿波あんば村の大杉おおすぎ明神の近くに、恐しい妖魔が住んでいるので有った。それに竜次郎は捕って、水鳥が霞網にからまったも同然、如何いかんとも仕難くなったのであった。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「船はご一緒でも、私には宅助といううるさい者が付いていますし、阿波むこうへ行っても、また落ちあえるまでは、しばらくお別れでございます」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
例年当寺ニテ執行シュギョウ阿波アワ丈六寺代印可ノ儀ナラビニ遍路人ヘンロニン便乗ノ扱イ等ニワカ阿州家アシュウケヨリ御差止オサシト有之候コレアリソウロウモッテ中止イタシソウロウナオ秋船アキブネノ遍路ハ其折ソノオリ再告申サイコクモウスベキコト
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)