“すさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スサ
語句割合
43.2%
34.1%
退18.1%
0.9%
朱砂0.4%
退去0.4%
0.4%
0.4%
0.2%
0.2%
光凄0.2%
切藁0.2%
寸莎0.2%
0.2%
素去0.2%
膝行0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
須佐0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
樹下石上じゅげせきじょうの人だった。それゆえに、いくら想いを懸けたところで、届きがたい心地がして、同時に、自分のすさびかけた境涯も顧みられ
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょうど真下に当る瀬の音がにわかにその切れ目から押し寄せて来るのだ。その音はすさまじい。気持にはある混乱が起こって来る。
闇の絵巻 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
蚊帳をうかがうこの姿が透いたら、気絶しないでは済むまいと、思わずよろよろと退すさって、ひっくるまるもすそあやうく、はらりとさばいて廊下へ出た。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蚊いぶし火鉢に火を取分けて三尺の椽に持出もちいだし、拾ひ集めの杉の葉をかぶせてふうふうと吹立ふきたつれば、ふすふすとけぶりたちのぼりて軒場のきばにのがれる蚊の声すさまじし
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
朱砂すさながらさびし山家の壁のいろ薄日蒸したり母の関町
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
お登和嬢はしり込して身を退去すさる。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
あきすさまじきかげ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
いや、一片の風流子の心事と、法月弦之丞の心に波うつものとは、だいなるへだてがある筈だ。したがって、同じ竹枝ちくしすさびにしても、その訴えるところは、ちまたや僧院の普化ふけたちとは必然なちがいをもつ。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これだけでは不安心だが、アバラケは亭を阿婆良也あばらやむごとく荒れすさんだ義で毛なしと近く、ほとんど相通ずる意味の詞であろう。
予が阿婆良気はアバラヤ(亭)同様あれすさんだ義で毛無と近くほとんど相通じたらしく、かくて不毛をアバラケ、それよりカワラケと転じ呼んだだろうと述べたはこの二島の名を混合した誤解で
えりに手をかけて抱起だきおこすと、なさけないかな下にあったのはすさを切る押切おしきりと云うもの、是は畳屋さんの庖丁を仰向あおむけにした様な実にく切れるものでございますが、此の上へお園の乗った事を知らずに
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ともがいているうちに、お園がウーンと身をふるわして苦しみ、パッと息が止ったからびっくりして新五郎が見ると、今はどっぷり日が暮れた時で、定かには分りませんが、側にあるすさが真赤に血だらけ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ただきっとしたる品格ありて眼の光凄すさまじく、頬の肉落ちおとがい細りて薄衣の上より肩の骨の、いたいたしげに顕われたるは世に在る人とは思われず。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……これは帝国の前途に横たわる一大障壁であります。今日の如く上塗うわぬりの思想が横行し、糊塗縦横の政治が永続しているならば、吾々日本民族の団結は、あの切藁すさ
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
此方こちらは猿子橋のきわに汚い足代あじろを掛けて、とまが掛っていて、籾倉の塗直ぬりなおし、其の下に粘土ねばつちが有って、一方には寸莎すさが切ってあり、職人も大勢這入って居るが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そして軽い気持で、昨日から運びこんだまゝになつてゐる植木を植ゑるために、くはとシャベルを裏の物置から引張りだして来た。木でも植ゑたらすさんだ庭が、少しは生気づくだらうと思はれた。
花が咲く (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「臭いっ、男臭いっ。あっちへ素去すされ!」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と長助が小刀ちいさがたなをすらりと引抜いた時に、驚いて丹治が前へ膝行すさり出まして
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「昔……昔、浦島は、小児こどもとらえし亀を見て、あわれと思い買い取りて、……」と、すさむともなく口にしたのは、別荘のあたりの夕間暮れに、村の小児等こどもらの唱うのを聞き覚えが
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
摺竹すりだけの振り面白い江戸のすさびであった。
間がなすさがな逢引などをして居たさうですよ
味鴨あぢの住む須佐すさの入江のこものあな息衝いきづかし見ずひさにして」(巻十四・三五四七)の用例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)