“巷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちまた92.1%
まち2.5%
ろじ1.7%
こうぢ1.7%
こう0.8%
こうじ0.8%
かう0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
忙しい世間は竹村君には用はない。何かなしに神田で覘いてみた眼鏡の中の大通りを思い浮べて、異郷のちまたを歩くような思いがする。
まじょりか皿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
おめえは、夜ひる眠ることもできずに、その男のまぼろしを抱いて、野良犬のように、江戸のまちをほっつきまわっていたのだろう。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そこはろじの角になっていて、巷の方にも入口があるので、裏通路どおりからその巷を入って来た者は、その巷の方の入口から入るのであった。
文妖伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
引かるゝまゝに、いぶせきこうぢを縫ひ行きて、遂にとある敗屋あばらやの前に出でしとき、僕は星根裏の小き窓にともしびの影の微かなるを指ざしたり。
ある日の夕暮れなりしが、余は獣苑じゅうえんを漫歩して、ウンテル・デン・リンデンを過ぎ、わがモンビシュウ街の僑居きょうきょに帰らんと、クロステルこうの古寺の前にぬ。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
余はかの燈火ともしびの海を渡り来て、この狭く薄暗きこうじり、楼上の木欄おばしましたる敷布、襦袢はだぎなどまだ取り入れぬ人家、頬髭ほおひげ長き猶太ユダヤ教徒のおきな戸前こぜんたたずみたる居酒屋、一つのはしごはただちにたかどのに達し
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
或る日の夕暮なりしが、余は獣苑を漫歩して、ウンテル、デン、リンデンを過ぎ、我がモンビシユウ街の僑居けうきよに帰らんと、クロステルかうの古寺の前に来ぬ。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)