“通路”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つうろ20.6%
かよひぢ17.6%
とおり14.7%
かよいじ14.7%
みち11.8%
とおりみち8.8%
とほりみち5.9%
どおり2.9%
パセイジ2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして私は自分の隱れるようにしてゐた片隅を立つて、都合よく間近まぢかにあつた傍戸わきどから出た。そこから狹い通路つうろが廣間の方へ通じてゐるのである。
茫然として行衞も知らぬ通路かよひぢを我ながら踏み迷へる思して、果はまひ終りがく收まりしにも心付かず、軈て席を退まかり出でて何處ともなく出で行きしが
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
通路とおりの右になった方は、真直まっすぐになって見渡されたが、左になった方はすぐ折れ曲がっていた。寺の本門ほんもんは左の方にあった。
赤い花 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
きみのとこは風呂敷にもしろ、よしんば中がからだって、結びめを蝶々にしたろう。裸体はだかでそいつを引背負ひっしょったって、羽の生えた処は、天津風あまつかぜ雲の通路かよいじじゃないか。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
僅かに人間一人通れるほどの通路みちで、一方の口は群衆六百の眼玉の光る庭に開き、そして他の一方の口は、内廊下の——其處には藤屋の番頭や手代や
その横ッチョの木煉瓦張もくれんがばりの通路とおりみちをやはり女に手を引かれながら通り抜けて、奥の行当りのドアを抜けるとヤット肩幅ぐらいの狭い廊下に出ました。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
其麽そんな事は無い! といなみ乍らも、何がなしに、若しや、若しや、といふ朦乎ぼんやりした期待のぞみが、その通路とほりみちを去らしめなかつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そこはろじの角になっていて、巷の方にも入口があるので、裏通路どおりからその巷を入って来た者は、その巷の方の入口から入るのであった。
文妖伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
通路パセイジに面した右舷ポウルドの一室を料理人クックと仕官ボウイと為吉が占領することになった。
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)