“とおり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
75.7%
街路9.6%
往来5.2%
通路4.3%
街道1.7%
疎通0.9%
通行路0.9%
通街0.9%
通過0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
松さんは本を伏せて「全く狸の言うとおりだよ、昔だって今だって、こっちがしっかりしていりゃ婆化されるなんて事はねえんだからな」
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
音羽おとわの九丁目から山吹町やまぶきちょう街路とおりを歩いて来ると、夕暮くれを急ぐ多勢の人の足音、車の響きがかっとなった頭を、その上にものぼせ上らすように轟々どろどろとどよみをあげている。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
言いすてると浪人は主税へ背を向け、夕陽が消えて宵が迫っているのに、なおも人通りの多い往来とおりを、本所の方へ歩いて行った。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今しもお宮は露路口の石段を上って表の通路とおりに出で立ちながら腰帯のゆるみをきゅっと引き締めながら
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
午前九時、前の街道とおりに馬車が来た。今これからそれに乗って、ここを発つのだ。二三日前、遠野へ行く途中、この馬車が猿ヶ石川の断崖にさしかかるところで転覆したそうだ。
旅からのはがき (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
彼は疎通とおりの好くなった烟管をぷっぷっと心持好さそうに吹きながらこういった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其れに下寺したでらと云つて……今は通行路とおりに成つて居るが、彼所は三十六坊の寺の在つた所、又山王台と云ふ只今西郷さんの銅像の在る所は、山王の社があつて
下谷練塀小路 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
なぞえに前途ゆくてへ高くなる——突当りが撞木形しゅもくがたになって、そこがまた通街とおりなんです。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
した覚えはございません。りましたのは水芸の滝の白糸という者の金で、桐田のかど通過とおりもしませんっ
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)