“緩”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆる62.7%
ゆっく7.3%
ゆっ6.9%
ゆるや6.5%
3.4%
ゆつく3.0%
ゆつ2.6%
かん1.4%
のろ1.0%
ゆるやか0.8%
ぬる0.8%
くつろ0.2%
ゆっくり0.2%
おそ0.2%
おほろか0.2%
たる0.2%
0.2%
なだ0.2%
なる0.2%
にぶ0.2%
まだる0.2%
まど0.2%
ゆた0.2%
ゆつくり0.2%
ゆるがせ0.2%
ゆるみ0.2%
ゆるり0.2%
ゆッ0.2%
ユル0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
尤も八五郎は決して手をめたわけではなく、追分の梅吉のところを足場にして、淺嘉町のあたりを、せつせと嗅いであるきました。
それでもちょっと微笑して「イヤ遠方までわざわざ恐れいったことで、しかしお話するほどのこともありませんが、まあ御り……」
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)
「さあ。事情次第だが。実はくり君に相談してみようと思っていたんだが。どうだろう、君の兄さんの会社の方に口はあるまいか」
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これより三留野驛へ三里。山び、水かに、鷄犬の聲歴落として雲中に聞ゆ。人家或はに臨み、或は崖に架し、或は山腹にる。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
残念ながら何時ものように出てからっくり話してやろうと思って我慢するより仕方がない。マジョール湖の絵葉書は、表も裏も面白かった。
客が少くて、殊に二等室はりとしたもの。汽笛の鳴る迄を先生は汽車衝突の話をされる。それは戦役当時の事であつたとか。
雪中行:小樽より釧路まで (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「さあ。事情次第だが。実はくり君に相談して見様と思つてゐたんだが。うだらう、さんの会社の方にはあるまいか」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
キャラコさんは、とりとめのない、蒼白い雪原の中で、さかんな雪煙りをあげながら傾斜のトレールをしゃにむにのぼって行った。
馬には、音楽が分るとかいうが、いかにも笛の音が分るように、馬上の女がふく横笛に聞きれながら、のたり、のたりと、い脚を運んで来るのだった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
舟は大概右岸の浅草に沿うてそのを操っているであろう。これは浅草の岸一帯が浅瀬になっていて上汐の流が幾分かであるからだ。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一刻を争ひ寸陰をむ現代人に様な手い形式をつて居る事は作者も読者も堪へ得ない事だ、今日従来の文法を守つて居るのは馬鹿の骨頂だと云ふ主張から
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
目も隠れるほど深く俯向いたが、口笛を吹くでもなく、右の指の節を唇に当て、素肌に着た絹セルの単衣衣紋げ——弥蔵という奴——内懐に落した手に、何か持って一心にめながら
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「出るなんて、まあ。——出るにしても、もっとしたらさそうなもんじゃないか」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
第二の妙は初齣をゆること一等なりき。これヂドとエネエアスとの對歌なり。ヂドは無情なる夫のせめては啓行の日をうせんことを願へり。君が爲めにはわれリユビアの種族をめき。
またその兄白日子の王に到りまして、を告げまをしたまひしに、前のごとに思ほししかば、黒日子の王のごと、すなはちその衣衿を取りて、引きて、小治田一五來到りて、穴を掘りて
素気なく言ってすぐ入口にまごついている加世子に目を見張った。この眼も若い時は深く澄んで張りのある方だったが、今は目蓋にも少しみができていた。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
一斉動揺いて、都大路を八方へれる時、揚出しの鍋は百人の湯気を立て、隣近な汁粉屋、その氷月の小座敷には、閨秀二人が、雪も消えて、衣紋も、も、春の色にややけたであろう。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
らかな傾斜となって、霧の中へ、するすると登っている、登山客の脱ぎ捨てた古草鞋が、枯ッ葉のように点を打って、おのずと登り路のとなっている、路傍の富士薊の花は
雪中富士登山記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
路がくなると、対岸は馬鹿〻〻しく高い巌壁になっているその下を川が流れて、こちらは山が自然に開けて、少しばかり山畠が段〻を成して見え、が穂を垂れているかとおもえば
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
何だかい足音とも云う様な響きが聞こえた、或いは天井の上を、ソッと何者かが歩いたのでは有るまいか、若し爾すれば、益々彼の潜戸の中へ這入る必要が出て来る
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
どうもそれに一日一日と近づいて往かねばならぬのがいかにもく、もどかしくて、反ってそれに近づけば近づくほどその日が遠のくように思われてなりませぬ。
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
そのうちろいと思ったか、鉄扇を捨てて無手をした自斎は、飛燕の如く身を屈めると、もう渦を巻いてる多勢の思わぬ所へ姿を現わし、寄る奴当る奴の襟首とって、人を人へ投げつけはじめた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
安斉可潟潮干のに思へらばが花の色に出めやも (同・三五〇三)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「いや実はれた。また明日元気のりませう。まあ御茶でもんで、なさい」
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一 女子は成長して他人の家へ行きふるものなれば、男子よりも親の教にすべからず。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
得たる心地して大いに悦び今や時刻と待居たりしが心のよりとろ/\と睡眠の落たる如き物音に夢はれて四邊
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
汲で出すに長兵衞は姉樣酒も御膳もと後にてよし早速ながら聞度事がある此方の兄の病氣は如何なり九死一生の大病と云手紙が來りしが何な樣子なるか未だ存生なりやとからに聞ゆゑ女共は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私の下宿ではいつも朝飯が済んで下宿人が皆出払った跡で、くり掃除や雑巾掛をする事になっていた。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
其だけに、面從で、口煩いの實務官たちと、おなじで何處か違つた所のある、——氣のせない氣持ちがした。
死者の書 続編(草稿) (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)