“緩々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆるゆる53.2%
かんかん17.0%
ゆる/\14.9%
くわん/\4.3%
だらだら2.1%
のろのろ2.1%
のろ/\2.1%
ゆっくり2.1%
ゆつくり2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おどかして、此の室で寝ぬ様にさせ、爾して又緩々ゆるゆると来る積りです、血の落ちて居たのは必ず其の盗坊が何うかして怪我をしたのでしょう
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
秀吉はそれを見届けて緩々かんかんと石井山の本陣へもどった。すると山門の前に、官兵衛孝高よしたかが待ちうけていて、何か、眼でものを云いながら寺内へいて行った。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかめテも左樣の毒藥にて候かと恐れし色をぞしめしたり折節をりふししたより午飯の案内あんないに半兵衞はしばし頼みまする緩々ゆる/\見物せられよと寶澤を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その最中に自分ひとり悠々いう/\緩々くわん/\と寢そべつてゐる奴があるものか。あんまりお長屋の義理を知らねえ狸野郎の横着野郎わうちやくやろうだ。ぬす人のひる寢も好加減にしろと云って、早く引摺ひきずり起して來い。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
先に大口おほぐち言込有いひこみありし貸付の緩々だらだら急に取引迫りて、彼はちとの猶予も無く、自ら野州やしゆう塩原なる畑下はたおりと云へる温泉場おんせんじように出向き、其処そこ清琴楼せいきんろうと呼べる湯宿に就きて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
出からしになつた急須の茶滓を茶碗の一つに空けて、机の下から小さい葉鉄ブリキの茶壺を取出したが、その手付がいかにもものぐさうで、私の様な気の早い者が見ると、もどかしくなる位緩々のろのろしてゐる。
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
出がらしになつた急須の茶滓を茶碗の一つに空けて、机の下から小さい鐵葉ブリキの茶壺を取出したが、その手付がいかにもものぐさ相で、私の樣な氣の早い者が見ると、もどかしくなる位緩々のろ/\してゐる。
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
起きようと寝ようと勝手次第、おまんまを食べるなら、冷飯おひやがあるから茶漬にしてやらっせえ、水を一手桶ておけんであら、いか、そしてまあ緩々ゆっくりと思案をするだ。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『まあ、上るさ——猪子君の細君も居るし、それに今話した瀬川君も一緒だから、是非逢つてやつて呉れたまへ。其様そんなところに腰掛けて居たんぢや、緩々ゆつくり談話はなしも出来ないぢや無いか。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)