緩々ゆる/\)” の例文
しかめテも左樣の毒藥にて候かと恐れし色をぞしめしたり折節をりふししたより午飯の案内あんないに半兵衞はしばし頼みまする緩々ゆる/\見物せられよと寶澤を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今晩一泊なすって緩々ゆる/\お話もしたいとめても聞入れず、振り切って横浜へいらしったが、それっ切りだおたくへ帰らんかえ
志郎は淡白な軍人氣質、信吾を除いては誰とも仲が好い、緩々ゆる/\話をするなんかは大嫌ひで、毎日昌作と共に川にゆく、吉野とも親しんだ。——
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「先に行つて待つて居ますさかい、お前様達は後から緩々ゆる/\来て下さいませ。」
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
乘合は外に幇間たいこ末社を加へて六人、船頭の直助に出來るだけ緩々ゆる/\と漕がせて、柳橋へ着いたのは戌刻いつゝ少し前、——船の中に持ち込んだ物では、どうも酒が飮めない、丁度腹も空き加減だから
うれへんまたたれをかうらむる所もなし拙者せつしやは少々したゝめ物あれば御免ごめんあれ貴殿は緩々ゆる/\御咄おはなし成るべしと云ひつゝ其身はつくゑかゝりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わしすぐうちへ帰ります、大きにお世話になりました、また四五日内に来て緩々ゆる/\話を致すが、何分用事のあることを打忘れて長居を致した、また来て話を
つかはすにより緩々ゆる/\滯留たうりうして金毘羅樣こんぴらさまへも參りたり江戸にもなきめづらしき船遊山ふなゆさんでもして春になつてからゆるりと歸るがよし然すれば我等も都合して貴樣たち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
又「さア僕も此の頃帰京いたしお話は種々いろ/\ありますが、何しろ雇人の耳に入っては宜しくないから、久々だから何処どこかで一杯やりながら緩々ゆる/\とお話がしたいね」
緩々ゆる/\と変ったお方と碁を打つのが何よりのたのしみとは、お年若としわかに似合わぬ御風流なことでござりますな
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私は彼方あっちへ往って看経かんきんをしまってから緩々ゆる/\と話をいたしましょうが、お前さん、軽はずみな事をなすってはなりませんよ、お前さんに会いたがって、毎日の様に当寺うちへお参りに来る人があるから