“緩慢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんまん61.5%
なだらか19.2%
のろま7.7%
くわんまん3.8%
なめらか3.8%
ゆつくり3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、それも瞬時のことで、すぐ運動が緩慢かんまんになり、がぶッと水の中にもぐってしまう。そして、この、がぶッがだんだん頻繁になる。
キャラコさん:07 海の刷画 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
緩慢なだらかな地勢に沿うて岡の上の方から学校の表門の方へ弧線を描いている一筋のみちだけは往時むかしに変らなかったが、門のわきに住む小使の家の窓は無かった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
一体あんな馬鹿野郎を親方の可愛がるといふがわつちにはてんから解りませぬ、仕事といへば馬鹿丁寧ではこびは一向つきはせず、柱一本鴫居しきゐ一ツで嘘をいへば鉋を三度もぐやうな緩慢のろまな奴
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
輕氣球けいきゝゆうともに、海洋かいやう唯中たゞなか落込おちこんだ吾等われら兩人りやうにんは、一時いちじすうしやくふか海底かいていしづんだが、さひはひにも、落下らくか速力そくりよく割合わりあひ緩慢くわんまんであつたためと、またなみ氣球きゝゆう抵杭ていかうしたために、絶息ぜつそくするほどでもなく
その魚鱗形うろこがたの板壁の見える一人の教授の家の前から緩慢なめらかな岡の地勢に添うて学校の表門の方へ弧線を描いている一筋のこみちなぞが最後に捨吉の眼に映った。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かうむるゆゑ和女おまへ緩慢ゆつくり御覽ごらんなさいと言つゝとこの中に入しが何でうねむりに着る可きたゞ此方こなたのみうかゞゐるうち又告わたかねの音は子のこくなれどもお光はずいよ/\ほん見入みいるていに庄兵衞今はたまりかね夜具やぐうちより手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)