“此方”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こちら27.4%
こなた26.1%
こっち18.4%
こつち15.3%
こち3.5%
このほう2.6%
このかた1.8%
このはう0.7%
こツち0.5%
こッち0.4%
こちとら0.4%
こっちゃ0.3%
コチラ0.3%
うち0.3%
これ0.3%
コナタ0.3%
こゝ0.2%
てまえ0.2%
こっつ0.1%
こっひ0.1%
こつとら0.1%
こんた0.1%
こツちや0.1%
ほっひ0.1%
コヂ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いたつて未熟みじゆくもの、此後こののちともお見知みしかれて御懇意ごこんいに願ひますとふと、まづ此方こちらへと
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
其後へ又来た者が、其空船を此方こちらへ呼戻す時には、岸から艫の縄を手繰ると、人は無くても船は房って来る、然ういう甚だ元始的の方法で有った。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
その中に運の悪い道筋を取ったものが、彼方の山から、此方こなたの谷から、いろいろと落ち合って、遂に一つの「エタ」という大川になったのである。
エタ源流考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
かすかなる埋火うずみびに脚をあぶり、つくねんとしてやぐらの上に首なげかけ、うつら/\となる所へ此方こなたをさして来る足音
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ふみ「およしや、そこ開けて遣っておくれ……此方こっちだよ、此方へお這入りなさい……あらまア穢い服装なりでマア、またお出でなすったね」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此方こっちは本の相場なんてものは一向知らんのだし、まあまあそれもそうだろうがと云う訳で、さんざ押し問答をした揚句、やっと一割引かしたんだが
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
駅員が二三人、駅夫室の入口に倚懸よりかかつたり、蹲んだりして、時々此方こつちを見ながら、何か小声に語り合つては、無遠慮にどつと笑ふ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
うぞ此方こつちへお上りやはつとくれやす。』と、土間どま床几しやうぎに腰をかけてゐる二人をひて、奧まつた一室に案内した。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「それが皆んな、あの娘の潔白のせゐとも言へるぢやありませんか。おびえきつた小娘は、何をやらかすか、此方こちとらには見當もつきませんよ」
火は別にとらぬから此方こちへ寄るがよい、と云いながら重げに鉄瓶を取り下して、属輩めしたにも如才なく愛嬌あいきょうんでやる桜湯一杯
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
『さようか。いや御念入ごねんいりは結構。此方このほうも、歳のせいか、近来はとかく耳が遠い。それにな、物忘れや勘違いが多うて、閉口へいこうでござるよ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此方このほうにては仏公使が浅田の診察しんさつうは日本の名誉めいよなりとの考にて、早速さっそくこれをゆるし宗伯を熱海につかわすこととなり
ねん此方このかた地方自治體ちはうじちたいはやう/\ゆたかになつたので、其管下そのくわんか病院びやうゐん設立たてられるまで
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
白蓮さんは伝右衛門氏のことを、此方このかたが、此方がといわれるので、何となく御主人へ対して気の毒な気がして返事がしにくかった。
柳原燁子(白蓮) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
此方このはうからくといへ恥辱ちじよくにもなるじつにくむべきやつではあるが、情實じやうじつんでな
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
伊留満喜三郎 如何にも伊留満あんとにゆすは此方このはうぢや。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
して其の當座、兩人はこツそり其處らを夜歩きしたり、また何彼なにかと用にかこつけて彼方あツち此方こツちと歩き廻ツて、芝居にも二三度入ツた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
然し大抵ならの校長は此方こツちのいふ通りに都合してくれますよ。謂ツちや變だけれど、僕の親父おやぢとは金錢上の關係もあるもんですからね。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
其を此方こッちから見て居ると、お糸さんが何だか斯う私の何かのような気がして、嬉しくなって、斯うした処も悪くないなと思う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
第一中隊のシードロフという未だ生若なまわかい兵が此方こッちの戦線へ紛込まぎれこんでいるから⦅如何どうしてだろう?⦆とせわしい中でちら其様そんな事を疑って見たものだ。
『仮に中学生にしたところで、態々わざわざ人から借りて呉れてやつてだまされるより、此方こちとらなら先づ寝酒でも飲みますな。』
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
(俺らのために先生——師匠が、——師匠同志が切り合ったでは、此方こちとらの男がすたってしまう! もうこうなっては遠慮は出来ねえ! 控えていることは出来なくなった!)
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
永「七兵衞さん薪炭を使わんか、檀家から持って来るが、炭は大分だいぶ良い炭じゃア、来て見なんせ……此方こっちゃに下駄が有るぞえ」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
眞「そんな事を云うても来てえるのは知っているからえけません、宵にお目に懸って此方こっちゃに泊ってもいと云うたのだから」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此方コチラも藤原同樣、叔母御が齋姫イツキで、まだそんな年でない、と思うてゐるが、又どんなことで、他流の氏姫が、後を襲ふことにならぬとも限らぬ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
此方コチラも藤原同樣、叔母御が齋姫イツキで、まだそんな年でない、と思うてゐるが、又どんなことで、他流の氏姫が、後を襲ふことにならぬとも限らぬ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
なにがあのいろくろ無骨ぶこつらしきおかた學問がくもんはえらからうともうで此方うちのおぢやうさまがつゐにはならぬ
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何時舊のやうに御平癒おなほりあそばすやらと心細し、植村さまも好いお方であつたものをとお倉の言へば、何があの色の黒い無骨らしきお方、學問はゑらからうとも何うで此方うちのお孃さまが對にはならぬ、根つから私は褒めませぬとお三の力めば
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
佐「まア、此方これへ、これはうこそ、さア何うぞ此方こっちへ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何卒どうぞすみやかに此方これへ/\。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
山の此方コナタにも小櫻の花が、咲き出したのである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
山の此方コナタにも小櫻の花が、咲き出したのである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
ねえばねえでいが、どうも此方こゝへは病気でめえられませんと云うて向うに居るのは奇怪きっかいじゃアねえか、どう云う次第であるか、胸を聞こう
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
くことにしよう、しか彼方あちらすぐに御飯をたべるも極りが悪いから、此方こゝで夜食をしてこうと云うので、麹屋こうじやと云う家で夜食をして道を聞くと
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大袈裟おおげさなのを笑いもしない女房は、その路連みちづれ、半町此方てまえぐらいには同感であったらしい
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その破目が大層で、此方てまえへ閉ってます引手の処なんざ、桟がぶらさがって行抜けの風穴かざあなで。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ね、此方こっつの家の爺つあま。——」と操三郎は、縁側へ長くなり、顔を障子の側まで持って行った。その二度目の声で、平三爺は、稲扱き機械を売って歩く、町の操三郎だということがわかった。
山茶花 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
此方こっつの家の爺つあま。病気はどうでがす?」
山茶花 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
商「エーイ主人がね此方こっひえようとすう、てもえ此方ほっひけようとする時にほろがりまして、主人の頭とうわしの頭とぼつかりました処が、石頭ゆいあさまいさかった事、アハアしべてえや」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「白ばくれなさんな。さつきから默つてゐりや圖圖しく構へやがつて——手前なんぞに女を匿まはれて此方こつとらの商賣が出來るものか。」
蒼白き巣窟 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
「何の、やくたいもない心配じゃ。拙者にまだいささかのたくわえもある。それが気詰まりと思わるるならば此方こんた、三味線を引かっしゃれ。身共わてが小唄を歌おうほどに……」
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しアヽーうもこのふすまなんどす、銀錆ぎんさびで時代が十ぶんに見えますな、此方こツちや古渡更紗こわたりさらさ交貼まぜはり
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
商「エーイ主人がね此方こっひえようとすう、てもえ此方ほっひけようとする時にほろがりまして、主人の頭とうわしの頭とぼつかりました処が、石頭ゆいあさまいさかった事、アハアしべてえや」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
十年も後家立デデ、彼方アヂ阿母オガだの此方コヂ阿母オガだのガラ姦男マオドコしたの、オドゴトたド抗議ボコまれデ、年ガラ年中きもガヘデだエ何なるバ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)