“此方”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
こちら27.5%
こなた26.5%
こっち17.9%
こつち15.3%
こち3.6%
このほう2.6%
このかた1.7%
このはう0.6%
こツち0.6%
こちとら0.5%
(他:28)3.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“此方”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸100.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語20.4%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行6.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
すると、いいえ、何事もありません、と云って、そのまま此方こちらへ来た筈なんですのに——それで、今思い出したもんですから
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
夜だから、此方こちらので宜いじゃないかと、美くない衣服を出されれば、それを厭とは拒みはしないが、何となく機嫌がわるい。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
小親はうしろむきて其方そなたを見たる、窓少しきたりしが、見たるまま閉めむともせで、また此方こなたに向きぬ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此方こなたの蚊帳へ——廊下に事はあるものを、夫を力にそこへは出られぬ——腰を細く、乗るばかり、胸にすがった手が白く
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此方こっち只管ひたすら頼むと小さくなってけを云えば、船頭は何でも聞かぬと剛情をはって段々声が大きくなる。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
市「なに別の事でも御座えませんが、貴方が伊香保から此方こっちへおいでなすった供に峯松てえ車夫くるまひきが有りやすか」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
主筆は例の如く少し曲つた広い背を此方こつちに向けて、暖炉ストーブわきの窓際で新着の雑誌らしいものを読んで居る。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
佐久間はモウ寝て居て、然も此方こつちへ顔を向けて眠つてるが、例の癖の、目を全然すつかり閉ぢずに、口も半分開けて居る。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
此方こち昔馴染むかしなじみのヸーナス殿どのめさっしゃい、乃至ないし盲目めんない息子殿むすこどの
仲町なかまちあねなにやら心配しんぱいことるほどに、此方こちからけばいのなれど
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ヷイオリンも少し稽古けいこしたが、此方このほうは手の使つかかたが六※かしいので、まあらないと同じである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たゞし、此方このほう掛物かけものまへに立つて、はあ仇英きうえいだね、はあ応挙だねと云ふ丈であつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
白蓮さんは伝右衛門氏のことを、此方このかたが、此方がといわれるので、何となく御主人へ対して気の毒な気がして返事がしにくかった。
柳原燁子(白蓮) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ねん此方このかた地方自治體ちはうじちたいはやう/\ゆたかになつたので、其管下そのくわんか病院びやうゐん設立たてられるまで
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
此方このはうからくといへ恥辱ちじよくにもなるじつにくむべきやつではあるが、情實じやうじつんでな
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
伊留満喜三郎 如何にも伊留満あんとにゆすは此方このはうぢや。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
べつ言葉ことばはさず、またものをいつたからといふて、返事へんじをする此方こツちにもない。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わしおどろいた、此方こツち生命いのち別条べつでうはないが、先方様さきさま形相ぎやうさう
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『假に中學生にしたところで、態々人から借りて呉れてやつてさまされるより、此方こちとらなら先づ寢酒でも飮みますな。』
葉書 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『仮に中学生にしたところで、態々わざわざ人から借りて呉れてやつてだまされるより、此方こちとらなら先づ寝酒でも飲みますな。』
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
其を此方こッちから見て居ると、お糸さんが何だか斯う私の何かのような気がして、嬉しくなって、斯うした処も悪くないなと思う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「戯談は除けて、幾程美しいと云ッたッてあんな娘にゃア、先方さきもそうだろうけれども此方こッちも気が無い」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
なにがあのいろくろ無骨ぶこつらしきおかた學問がくもんはえらからうともうで此方うちのおぢやうさまがつゐにはならぬ
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何時舊のやうに御平癒おなほりあそばすやらと心細し、植村さまも好いお方であつたものをとお倉の言へば、何があの色の黒い無骨らしきお方、學問はゑらからうとも何うで此方うちのお孃さまが對にはならぬ、根つから私は褒めませぬとお三の力めば
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
眞「そんな事を云うても来てえるのは知っているからえけません、宵にお目に懸って此方こっちゃに泊ってもいと云うたのだから」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
永「七兵衞さん薪炭を使わんか、檀家から持って来るが、炭は大分だいぶ良い炭じゃア、来て見なんせ……此方こっちゃに下駄が有るぞえ」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
佐「まア、此方これへ、これはうこそ、さア何うぞ此方こっちへ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何卒どうぞすみやかに此方これへ/\。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
實際よそほかの氏上よりも、此方コチラの氏助ははたらいてゐるのだが、——だから、自分で、氏上の氣持ちになつたりする。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
実際よそほかの氏上よりも、此方コチラの氏助ははたらいてゐるのだが、——だから、自分で、氏上の気持ちになつたりする。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
山の此方コナタにも小桜の花が、咲き出したのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
山の此方コナタにも小櫻の花が、咲き出したのである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
ねえばねえでいが、どうも此方こゝへは病気でめえられませんと云うて向うに居るのは奇怪きっかいじゃアねえか、どう云う次第であるか、胸を聞こう
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
くことにしよう、しか彼方あちらすぐに御飯をたべるも極りが悪いから、此方こゝで夜食をしてこうと云うので、麹屋こうじやと云う家で夜食をして道を聞くと
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大袈裟おおげさなのを笑いもしない女房は、その路連みちづれ、半町此方てまえぐらいには同感であったらしい
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その破目が大層で、此方てまえへ閉ってます引手の処なんざ、桟がぶらさがって行抜けの風穴かざあなで。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ね、此方こっつの家の爺つあま。——」と操三郎は、縁側へ長くなり、顔を障子の側まで持って行った。その二度目の声で、平三爺は、稲扱き機械を売って歩く、町の操三郎だということがわかった。
山茶花 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
此方こっつの家の爺つあま。病気はどうでがす?」
山茶花 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「白ばくれなさんな。さつきから默つてゐりや圖圖しく構へやがつて——手前なんぞに女を匿まはれて此方こつとらの商賣が出來るものか。」
蒼白き巣窟 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
「何の、やくたいもない心配じゃ。拙者にまだいささかのたくわえもある。それが気詰まりと思わるるならば此方こんた、三味線を引かっしゃれ。身共わてが小唄を歌おうほどに……」
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しアヽーうもこのふすまなんどす、銀錆ぎんさびで時代が十ぶんに見えますな、此方こツちや古渡更紗こわたりさらさ交貼まぜはり
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
十年も後家立デデ、彼方アヂ阿母オガだの此方コヂ阿母オガだのガラ姦男マオドコしたの、オドゴトたド抗議ボコまれデ、年ガラ年中きもガヘデだエ何なるバ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)