“其方此方”の読み方と例文
読み方割合
そちこち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
建續たてつゞいへは、なぞへにむかうへ遠山とほやまいて、其方此方そちこちの、には背戸せど空地あきちは、飛々とび/\たにともおもはれるのに、すゞしさは氣勢けはひもなし。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
振返ると、その闇の中に其方此方そちこちと突つ立てゐる石塔の頭が、うよ/\とみのるの方に居膝ゐざり寄つてくる樣な幽な幻影を搖がしてゐた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
余は又目科がく詮さくする間に室中を其方此方そちこちと見廻して先に判事の書記が寄りたる卓子てえぶるの下にて見し彼のコロップの栓を拾い上げたり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)