“谷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たに35.5%
30.7%
きわ14.2%
やつ6.9%
だに3.9%
きわま2.1%
きは1.5%
こく0.9%
やしな0.6%
やと0.6%
ヤツ0.6%
きはま0.3%
0.3%
のたに0.3%
キハ0.3%
グレン0.3%
タール0.3%
0.3%
ヴァレイ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やまや、や、たにべるものがなくなってしまうと、人間にんげん村里むさざとおそってきます。そして、人間にんげんべたり、家畜かちくったりします。
おおかみと人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あまり暖くならぬうち一度是非行つて見たく、ついでに其處の宇津うつ峠をも越えて見たいと思ふうちにいつか桃の花が咲いて來た。
進退きわまったお銀様は、ついに脇差を振り上げて、勢い込んで追いかけて来た神尾主膳のかおをのぞんで、その脇差を投げつけました。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
谷戸やとの奥へ逃げて行った……ゆるしておけないから、やつのふところで、山岸カオルと話しているところへ行って、しょっぴいてやった
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
たび途中とちゅうで、煙草畑たばこばたけに葉をつんでいる少女にった。少女はついこのあいだ、おどしだにからさとへ帰ってきた胡蝶陣こちょうじんのなかのひとり。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
腹は減る、眼は痛む、足はひょろつく、という始末で進退全くきわまって我れ知らず雪の中へすわり込んでこりゃ死ぬより外に道がないのだろうという考えがつきました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
よんどころない会合の席で、皮肉な若手と頑固な上役に盃を押しつけられ、進退きはまつて、彼は、粛然と膝を正し
美談附近 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
篠崎小竹しょうちくの顔も見え、岡田半江はんこう小田おのだこくなどの画人や、伊丹いたみ剣菱けんびしの主人なども来ていた。
梅颸の杖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「能く補導の事を善くす、精を玄牝に取る、其要、神をやしなひて死せず、生を守り氣を養ふ者也」
道教に就いて (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ここのやとかげまたく無し消し棄てにふたたびとけずいねにたるらし
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
稲瀬川三囲の段だの、何がヤツなどいふ地名を、江戸の町名の替りにした様な例もあれば、又富个岡八幡を、鶴个岡めかしたやうな記載も見られる。
神道に現れた民族論理 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
彼の進退はここにきはまるとともに貫一もこの場は一寸いつすんも去らじと構へたれば、遊佐はわなに係れる獲物の如く一分時毎に窮する外は無くて、今は唯身に受くべき謂無いはれなき責苦を受けて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
其の代りにゃアこゝな家は忙がしくて、庭のうちを一日に十里ぐれえの道は歩くから、夜は草臥れて顛倒ぶっくりけえってしまうのサ、それから見ると熊ヶの女共はやあらけえ着物を着ていて楽な代りに
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
寺の後山一二三のたにをすぎ海浜に出て敦盛塔を看。(一説平軍戦死合墓なりといふ。)五輪石塔なかばうづもれたるなり。此海浜山上蔓荊子まんけいし多し。花盛にひらく。界川に到る。是摂播二国の界なり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
進退こゝにキハまりて
英雄ナポレオン (新字旧仮名) / 槙村浩(著)
「二、三週間前に、バアトン・マッキンネルっていう若い男へ譲ってやりました。そいつの住所ですか。ビヴァリイグレンの二一一一番地だったと思いますが——」
アリゾナの女虎 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
ゼームスでおどしつけられたせゐでもあるまいが、それから二三日して腹も治り、毎日ポーター先生の御伴をして、附近のタールを歩き廻つて、瑞西の山家の生活に親しんで愉快な日を暮した。
ツーン湖のほとり (新字旧仮名) / 中谷宇吉郎(著)
本郷臺をサスかけて下りける時、丸山新町と云へるを通りたることありしが、一葉女史がかゝる町の中に住まむとは、告ぐる人三たりありて吾等やうや首肯うなづきぬ。
私たちをヴァレイと呼んでくれ。そのほうがお前に覚えよくていいから。このうちへ来たとき、私たちはむこうの便宜をはかって、つとにお婆さんにこう言い渡してあるのだ。