“谿谷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けいこく77.2%
たに15.8%
たにあい5.3%
たにあひ1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
男子なる方は、五月蠅うるさきことに思ったのであろう。われわれはこれから、コルシカはタラノの谿谷けいこくへ虎狩りにゆくつもりであること。
郷里とは言っても、岸本があの谿谷たにの間の道を歩いて見たことは数えるほどしか無かった。通る度毎たびごとふるい駅路の跡は変っていた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
捨吉兄弟のことを心配して女の一人旅を思立って来たというお母さんが、やがて復た独りで郷里くに谿谷たにあいの方へ帰って行くことも思われた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
牛の性質をく暗記して居るといふ丈では、所詮しよせんあの烏帽子ゑぼしだけの深い谿谷たにあひに長く住むことは出来ない。気候には堪へられても、寂寥さびしさには堪へられない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)