“けいこく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ケイコク
語句割合
谿谷51.2%
渓谷19.8%
警告8.1%
頃刻5.8%
傾国4.7%
溪谷3.5%
経国3.5%
傾國1.2%
谿国1.2%
𧮾谷1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まだ明け切らぬ朝靄の木立のなかを縫うように、京子の姿が温泉村の谿谷けいこくへと急いでいた。山荘の人々は誰も起き出でてはいなかった。
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
自分もせいぜい長生きする覚悟で若い者に負けないように銀座ぎんざアルプスの渓谷けいこくをよじ上ることにしたほうがよいかもしれない。
銀座アルプス (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
うみいろつめていた船長せんちょうが、突然とつぜん危険きけん警告けいこくはっしましたが、もうまにあわなかった。ふねは、ひどいおとをたて、暗礁あんしょう衝突しょうとつしたのです。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
陽明微哂びしんして曰く、「此心光明、亦復何言。」(この心光明、またまたなにをか言わん)と。頃刻けいこくありて瞑目めいもくして逝けり。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
甘い抑揚よくようをつけて言った。嫣然えんぜん一笑、東洋でいう傾国けいこくの笑いというやつ。そいつをやりながら、触れなば折れんず風情ふぜい、招待的、挑発的な姿態を見せる。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
我々われ/\門川もんかはりて、さら人力車くるまりかへ、はら溪谷けいこくむかつたときは、さながらくもふかおもひがあつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
健康の大事は、治民経国けいこくの大事と共に、これの消耗しょうもうを、夜間の秘戯にスリ減らすほど、愚かでもなかった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其の振りぐる顏を見れば、鬚眉すうびの魂をとろかして此世の外ならで六尺の體を天地の間に置き所なきまでに狂はせし傾國けいこくの色、凄き迄にうるはしく、何を悲しみてか眼にたゝゆる涙のたま海棠かいだうの雨も及ばず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
岩石ヶ城へはみずから好んで捕われ参ったのでござります。私の使命は芳江姫を助け出すことにござります。姫君お帰りなき時は葡萄大谷ぶどうおおや谿国けいこくは自滅するのでござりますぞ。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いはなややまめは𧮾谷けいこくながれる激流げきりゆうなかで、はつらつとおよいでをり、二三尺にさんじやくそらあがるほどの元氣げんきものです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)