“たに”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タニ
語句割合
38.9%
23.4%
谿19.5%
6.3%
谿谷3.0%
2.6%
渓谷2.0%
1.3%
0.7%
0.3%
山谷0.3%
0.3%
ヶ谷0.3%
渓流0.3%
谷峡0.3%
豁谷0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
建續たてつゞいへは、なぞへにむかうへ遠山とほやまいて、其方此方そちこちの、には背戸せど空地あきちは、飛々とび/\たにともおもはれるのに、すゞしさは氣勢けはひもなし。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かくて仲善き甲乙ふたり青年わかものは、名ばかり公園の丘を下りて温泉宿へ帰る。日は西に傾いてたにの東の山々は目映まばゆきばかり輝いている。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
こずえに響く波の音、吹当つる浜風は、むぐらを渦に廻わして東西を失わす。この坂、いかばかり遠く続くぞ。谿たに深く、峰はるかならんと思わせる。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わが兄弟なりし者にモロントとエリゼオとあり、わが妻はポーのたによりわがもとに來れり、汝のうぢかの女より出づ 一三六—一三八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
眼の下に広々とした谿谷たにがあり、夕べのもやが立ちこめていた。しかしまさしくその靄を破って、無数の立派な家々や、掘割に浮かんでいる船が見えた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
たにによるの天険をえらび、その道路湊門そうもんを築造するも、ただ攻守の便宜より判断を下し、その関門を設けその津留つどめをなし、その行政の区域を定め、その人民を統制するがごとき
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
この時代ころのお茶の水といえば、樹木と藪地と渓谷たにと川とで、形成かたちづくられた別天地で、都会の中の森林地帯であった。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
三人みたりしずかに歩みて、今しもたにわたり終わり、坂を上りてまばゆき夕日の道にでつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
それに、最初たにへ斬りおとした秋穂左馬之介を加えて、きょう仕留めた獲物はつごう三名。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
今朝、野部のべを立った信玄の大兵は、天龍川をわたり大菩薩だいぼさつを経て、なおその行軍態勢をつづけながら、午下ひるさがりの頃、さいたにの前面へかかって来た。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
深さ十八尺もあろう崖をのぞく、清冽せいれつな水がながれている。そこをさいたにという。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いまし飮食を牛に負せて山谷たにの中に入る。いましかならずこの牛を殺して食ふならむ」といひて、すなはちその人を捕へて、獄内ひとやに入れむとしければ、その人答へて曰はく
ここにその伺へる賤の男、その玉を乞ひ取りて、恆につつみて腰に著けたり。この人、山谷たにの間に田を作りければ、耕人たひとどもの飮食をしものを牛に負せて、山谷たにの中に入るに、その國主こにきしの子あめ日矛ひぼこに遇ひき。
カリンポンに着す その翌日雨をおかしてカリンポンに着きました。その間十五マイル、この都会はダージリンの東、一つの大なるたにへだててあります。ダージリンより余程土地が低い。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
この間はやぶの中やたにを廻って行きましたから思わず道を余計に歩きました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
がけしたむぐらしげりて、星影ほしかげひるゆべくおどろ/\しければ、同宿どうしゆくひとたち渾名あだなしてりうヶ谷たにといふ。
逗子だより (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
渓流たにの瀬の鳴る音が遠くで聞こえる。
ネギ一束 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
東京芝白金の近郊ちかく谷峡たにが三つ寄つた所がある。そこは、あちらもこちらも滴る許りの緑翠みどりで飾られて居るので唯谷間の湿つぽい去年の稲の株がまだかやされて居ない田圃だけに緑がない。
「いや、剣法でもなんでもあのコツだ。どうして、霧にかくれるというが、あなたの豁谷たにを渡るあれだ、あの※吸といったら、実際たいしたものだ。」