“谿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たに95.2%
たにがわ1.6%
ひら1.6%
タニ1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はその思い出の来る心の青い谿たにそこを幾度となくのぞき見してみる、まばたきにも、虹のひかりにも、その思い出は消えてしまう。
最後の晩餐 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
あるいは山を谿たにがわに沿いあるいは吹き通しの涼しき酒亭に御馳走を食べたなどと書いてあるのを見ると、いくらか自分も暑さを忘れると同時にまたそのうらやましさはいうまでもない。
徒歩旅行を読む (新字新仮名) / 正岡子規(著)
いわんや愚直な加十のことだから、テもなくこの陰謀に引ッかかってしまった。俄に天が谿ひらけたような気がする。うまくやってのけろ、刑務所へ行かなくても済むぞ。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
次いではるかな谿タニのながれの色が、白々と見え出す。更に遠く、大和国中クニナカの、何処ドコからか起る一番鶏イチバンドリのつくるとき。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)