“谿々”の読み方と例文
読み方割合
たにだに100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たまぎるような悲鳴です。月明つきあかり谿々たにだにに、響きわたるさまは、何というか、いと物すさまじいの場の光景でした。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私はこの古城址こじょうしに遊んで、君なぞの思いもよらないような風景を望んだ。それは茂った青葉のかげから、遠く白い山々を望む美しさだ。日本アルプスの谿々たにだにの雪は、ここから白壁を望むように見える。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
谿々たにだに雑木ざふきの芽立べにをふくみ雨こまやかなり春か来ぬらし
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)