“谿底”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たにそこ85.7%
たにぞこ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこを、吹きおろす風は七十メートルを越え、伏しても、はるか谿底たにそこへ飛ばされてしまうのだ。——以上が私の、「天母生上の雲湖ハーモ・サムバ・チョウ
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
双眼鏡を肩に掛け、白いしなやかな手を振って、柔かな靴音をさせる紳士は参事官でした。俄然にわかに喇叭らっぱの音が谿底たにそこから起る。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
遂に蠅男は口惜しがる帆村と長吉とを谿底たにぞこへ置いて山かげに姿を消してしまった。聞えていた飛行機のプロペラの音も、そのうちに何処ともなく聞えなくなった。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)