“俄然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
がぜん97.6%
にはか0.8%
がば0.8%
にわかに0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかるにその物音に蓉子は目をさまして誰何すいかしたので、賊は俄然がぜん居直りとなり手にせる出刃庖丁を蓉子の前に突きつけておどかした。
黄昏の告白 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
盜賊たうぞくに落し呉んとの了簡ゆゑ一文貰ひの身分みぶんにして俄然にはか金策きんさくの出來たるわけ又店にて百兩の金が紛失ふんじつしたるは斯樣々々とべんまかせて申立ければ其通り双方さうはう口書くちがき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
屍を守る見樣みえで、棒の如く突立つた女は、軈て俄然がばと身を投て、伏重なつたと思ふと、じつと僵れて身動も仕無い。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
双眼鏡を肩に掛け、白いしなやかな手を振って、柔かな靴音をさせる紳士は参事官でした。俄然にわかに喇叭らっぱの音が谿底たにそこから起る。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)