“がぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
俄然98.4%
呀然1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その掘ったところが俄然がぜん爆発して大量の熱気を地上に噴出するようになったところが、新らしく出来た鶴見地獄や鉄輪地獄である。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
すなわち、係り家来としては書付も短刀も精密検査に及ばず、ただ「御落胤出現」なる一事を以て俄然がぜんいろめき立ったものだろう。
長屋天一坊 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
堂の前から右に石段を下ると、呀然がぜんとして人穴の洞窟が口を開いている。灼熱した熔岩流が急に冷却した為に生じたものであるとは地質学者の説である。
春の大方山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
岑閑しんかんとした霧の暮に、あらい金網を張つてゐる危ふげな突端にいたると、一谷呀然がぜんとして開けて、たゞ白煙蒼霧の埋めてゐるかなたに、恐ろしい瀧の音が不斷の響きを立てゝゐるばかりであつた。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)