“がば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
岸破63.6%
俄破13.6%
瓦破9.1%
俄然4.5%
我破4.5%
臥破4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ずるずる黒繻子くろじゅすの解くるを取って棄て、引据ひきすえ、お沢の両手をもてひしおおう乱れたる胸に、岸破がばと手を差入さしいれ
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼は俄破がばと跳ね起きて階段の上から覗いて見るとドーブレクが今しも階段を降りて庭の方へ行く様子。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
瓦破がばった治部太夫は、身軽く躍りあがって槍をとった。槍ざやはケシ飛んで、蒼白いきらめきが穂先四寸に放たれた。
討たせてやらぬ敵討 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
屍を守る見樣みえで、棒の如く突立つた女は、軈て俄然がばと身を投て、伏重なつたと思ふと、じつと僵れて身動も仕無い。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
金銀、硨磲しゃこ瑪瑙めのう琉璃るり閻浮檀金えんぶだごん、の属を挙げて、ことごとく退屈のひとみを見張らして、疲れたる頭を我破がばね起させるために光るのである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
敦夫は臥破がばと起上った。そして記録の紙を一枚一枚、光に透かして叮嚀ていねいに見ていたが、急にそれを投出して立上たちあがった。
殺生谷の鬼火 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)