“黒繻子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くろじゅす81.7%
くろじゆす14.4%
くろしゅす1.9%
くろしゆす1.0%
くろじゅず1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日の光は、相変わらず目の前の往来を、照りしらませて、その中にとびかうつばくらの羽を、さながら黒繻子くろじゅすか何かのように、光らせている。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
おもつたる大形おほがた裕衣ゆかたひつかけおび黒繻子くろじゆすなにやらのまがひものひらぐけがところえてはずとれしこのあたりのあねさまふうなり
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
窓のひもを引いて厚い黒繻子くろしゅすのカーテンを閉め、部屋を暗室にすると、幻燈内の電燈を点火し、靴箆を器械に挿入して、ピントを合せた。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
彼方あちらかどだから、遠く三四郎と真向まむかひになる。折襟をりえりに、はゞの広い黒繻子くろしゆすむすんださきがぱつとひらいて胸一杯いつぱいになつてゐる。与次郎が、仏蘭西の画工アーチストは、みんなあゝ云ふ襟飾えりかざりけるものだと教へて呉れた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
派手な結城紬ゆうきつむぎ一重物ひとえものに、きりの落葉の刺繍ししゅうを置いた黒繻子くろじゅずの帯をしめて、例によって艶々とした丸髷のつむりをふせ、ベッドの純白のシーツの上に、フーワリと腰をおろしていたが、洋風の調度と
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)