“襟飾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ネクタイ40.0%
えりかざり38.3%
えりかざ15.0%
クラバァト1.7%
クラバット1.7%
ジャボー1.7%
ブローチ1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
同時にまた縞の背広に地味な襟飾ネクタイをした彼の服装も、世紀末せいきまつの芸術家の名前を列挙するのが、不思議なほど、素朴に出来上っていた。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
先に立ちたるは、かち色のかみのそそけたるをいとはず、幅広き襟飾えりかざりななめに結びたるさま、が目にも、ところの美術諸生しょせいと見ゆるなるべし。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
テナルディエは襟飾えりかざりとしてるぼろ布を喉仏のどぼとけの所まで引き上げた。それは真剣になった様子を充分に示す身振りだった。そして言った。
金棕櫚織パルミエドル襟飾クラバァトに手がかかる。
街頭:(巴里のある夕) (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
楽に坐れるように仕立てた黒または茶色の上衣とズボン、白の襟飾クラバットりとチョッキ、広い丈夫そうに見える靴、厚い靴下とゲートル、などでそれとわかるのだ。
群集の人 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
ボボフとかいふひと襟飾ジャボーをつけた恰好がこうのとりそつくりだつたが、その人がもう少しでころげるところだつただの、リディナとかいふひとは緑いろの眼をしてゐる癖に自分では碧い眼だと思つてゐるだのと
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
珠子さんにはモザイックの美しい襟飾ブローチ。長謙さんには黴の生えた古くさい初版本。だいこんにはゴムの巻脚袢ゲートルのようなものをくれた。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)