“ブローチ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
襟飾り20.0%
毛留20.0%
襟止20.0%
襟留20.0%
襟飾20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やっと窓をあけると投げこんだのは、いつも胸につけている大きな銀の襟飾りブローチです。髪をなびかせながら大声に何か、叫んでるようでしたがそれはもう、聞こえません。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
銀の襟飾りブローチだけは……あのスパセニアが、自動車の窓から投げ込んだ銀の襟飾りブローチだけは、前の青葉通りのお濠端ほりばたへ飛び出して、青くよどんだ濠の中へ投げ込んでしまいました。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
やかたおくなる夫人ふじんの、つねさへ白鼈甲しろべつかふ眞珠しんじゆちりばめたる毛留ブローチして、つるはだに、孔雀くじやくよそほひにのみれたるが、このたまはるを、けて、とおもふに、いかに、端近はしぢかちや居迎ゐむかふる姿すがたれば、櫛卷くしまき薄化粧うすげしやう
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白絽の襟を襟止ブローチでとめ、重ね草履をはきお包みを片手にかかえながら、片手にもった扇子を唇に当てがって歩くという気分の女学生。
婦人と文学 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
田鶴子さんも子供ながら、この辺の呼吸を相応に心得ていると見えて、幾度か外向そっぽを向いた末、大きな真珠の入った襟留ブローチを買って貰った。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
珠子さんにはモザイックの美しい襟飾ブローチ。長謙さんには黴の生えた古くさい初版本。だいこんにはゴムの巻脚袢ゲートルのようなものをくれた。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)