“櫛卷”のいろいろな読み方と例文
新字:櫛巻
読み方割合
くしまき91.7%
くしま8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あとじさりに、——いま櫛卷くしまきと、島田しまだ母娘おやこ呼留よびとめながら、おきな行者ぎやうじや擦違すれちがひに、しやんとして、ぎやくもどつてた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
自棄やけ櫛卷くしまきにした多い毛にも、わざと白粉おしろいを嫌つた眞珠色の素顏にも、野暮を賣物にした木綿の單衣ひとへにも、つゝみ切れない魅力みりよくが、夕映ゆふばえと一緒に街中に擴がるやうな女でした。
まだ若いのに、白粉氣のない櫛卷くしまきで、世にも人にもすねた恰好ですが、精悍で、溌剌として居て、雌豹めへうの怒つたやうな、言ふに言はれぬ美しさと、『抗し難きもの』を持つた女でした。