“櫛形”の読み方と例文
読み方割合
くしがた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
櫛形くしがたの月が空にかかっていた。天福寺の本堂が影絵のように見え、風はないが海が近いので、空気にしおの香がかなりつよく匂っていた。
あすなろう (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
始終の様子を、その物音の遠くになる果てまでを、殿上の“櫛形くしがたの窓”のあたりで聞きすましていた女性がある。准后の廉子やすこであった。
讓の帽子を受けった婢が櫛形くしがたの盆に小さな二つのコップと、竹筒のような上の一方に口がつき一方に取手とってのついた壺を乗せて持って来た。
蟇の血 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)