“白粉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おしろい90.1%
しろい6.5%
はくふん0.9%
おしろひ0.9%
しろいもの0.4%
しろこ0.4%
をしろい0.4%
しらこ0.2%
しろしい0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
肌ぬぎになつた胸の左右に、二つの小さな丘のやうな乳が、白粉おしろいを塗つてゐる手先の運動につれて、伸びたりふくらんだりしてゐる。
散歩 (新字旧仮名) / 水野仙子(著)
紹介もなしにそばへ寄って来て、無理に彼女と一緒に踊った、あのずうずうしい、お白粉しろいを塗った、にやけた男がそれだったのです。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
いよいよ怪しと存ぜしまま、その白粉はくふんを摘み取り、自宅へ持ち帰り候が、別封をもってお眼にかけし物こそ、その白粉にござ候。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
鏡に映つた兒どもの、つらには凄いほど眞白まつしろ白粉おしろひつてあつた、まつげのみ黒くパツチリとひらいたふたつの眼の底から恐怖おそれすくんだ瞳が生眞面目きまじめ震慄わなないてゐた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
くもこぢたけれど二ぐわつばかりの薄紅梅うすこうばいあわゆきといふかなにらねどからぬほどの白粉しろいもの玉虫たまむしいろの口紅くちべに
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
雪よりも白いえりの美くしさ。ぽうッとしかも白粉しろこを吹いたような耳朶みみたぶの愛らしさ。匂うがごとき揉上もみあげは充血あかくなッた頬に乱れかかッている。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
白粉をしろいかんざし桜香さくらかの油、縁類広ければとりどりに香水、石鹸しやぼんの気取りたるも買ふめり、おぬひは桂次が未来の妻にと贈りものの中へ薄藤色の襦袢じゆばんゑりに白ぬきの牡丹花ぼたんくわかたあるをやりけるに
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
作るには大豆だいず玄米げんまいって粉にした物へぬかまじえて白粉しらこを製し
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
はじめて萱原かやはら分入わけいつたとき活東子くわつとうしんだ。望蜀生ぼうしよくせい如何どうしたのか、りつきもない。狹衣子さごろもし役者やくしやつて、あのどろしやくつたでお白粉しろしいきつゝあり。