散歩さんぽ
「おい、散歩に行かないか。」と、縁側に立つて小さく口笛を吹いてゐた夫は言つた。 薄暗い台所でしてゐた水の音や皿の音は一寸の間やんで、「えゝ」と、勇みたつたやうな返事が聞えると、また前よりは忙しく水の音がしだした。 暗い夜であつた。少しばかり …
題名が同じ作品
散歩 (新字旧仮名)佐佐木茂索 (著)