“煽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あお67.9%
おだ13.7%
あふ13.5%
あおり1.5%
あほ0.9%
そや0.5%
おだて0.4%
おこ0.2%
アフ0.2%
0.2%
あおぎ0.2%
あふり0.2%
0.2%
だて0.2%
ひや0.2%
まほり0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うしろから吹きつける風にあおられて身体ぐるみちゅうに浮いたまま、二三歩前へよろけてから、やっとみとどまるくせがついてしまった。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
お前は男だろうとか宗教家だろうとかおだて上げ、自分達を助けると思って白状して呉れと哀れみを乞うように云ったかも知れない。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
日頃にもない巧名心こうみやうしんあふられて、誰彼れの差別なく捉まへては、お常とお紋をめぐる男の關係など、精一杯に聽き込んでゐたのです。
ト木彫のあの、和蘭陀オランダ靴は、スポンと裏を見せて引顛返ひっくりかえる。……あおりをくつて、論語は、ばら/\と暖炉に映つて、かっと朱をそそぎながら、ペエジひらく。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
代助は其わらひなか一種いつしゆさみしさを認めて、たゞして、三千代のかほじつと見た。三千代は急に団扇うちはを取つてそでしたあほいだ。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
からつきりあんな袖のぺらぺらした、恐ろしい長い物をまくり上るのだからね、さうなれば来年から横町も表も残らずお前の手下だよとそやすに、してくれ二銭貰ふと長吉の組に成るだらう
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いわば神尾をおだてて骨を折らせ、自分は濡手で掴み取りをしているだけの立場なのだから、お絹としては大放心で、吾を忘れるのも無理があるまい。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
女「そうだねえ、まア火をおこしてお呉れ……消炭けしずみを下へ入れて堅い炭を上へ入れるのだよ、あら、鍋が空じゃアないか、湯を入れて掛けるのだアね、旨くやんねえよ」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
板屋は吹きあげられさうに、アフりきしんだ。若人たちは、コトゴトく郎女の廬に上つて、刀自を中に、心を一つにして、ひしと顔を寄せた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
燃え上った火炎は折からの突風におられ煽おられて、それこそ扇を広げた様な型になって末ひろがりに広がって行った。
現代語訳 方丈記 (新字新仮名) / 鴨長明(著)
「貴方まあお羽織をお脱ぎなさいましよ。」と深切におっしゃりながら、団扇使うちわづかいの片手あおぎに、風を操るがごとくそよそよと右左。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
木彫きぼりのあの、和蘭陀靴オランダぐつは、スポンとうらせて引顛返ひつくりかへる。……あふりをくつて、論語ろんごは、ばら/\と暖爐だんろうつつて、くわつしゆそゝぎながら、ペエジひらく。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
塵埃ほこりつによ。お前様方まえさんがたは美くしい手で恐しい掴取つかみどりをしなさるね。今のあの男は二円八十銭の買物をして、五円渡してったじゃないか、そこであっしの買物が二円さ、しかえ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お才は煙管きせるポンとたゝいて、フヽンと冷笑わらひつ「皆ンな大洞さんの賄賂わいろだアネ——あれでも、まア、大事なお客様だ、日本一の松島さんてなこと言つで、おだててお置きよ、馬鹿馬鹿しい」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
晴代はたまらないと思つたので、急いで円タクを飛ばした。皆んなにおひやらかされて、札びら切つてゐる木山の顔が目に見えるやうだつた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
次に手ばしこく蒲團をたたんで押入へ押籠む……夜の温籠ぬくもりは、二十日鼠はつかねづみのやうに動くお房のまほりと、中窓から入ツて來る大氣とにさまされて、其處らが廓然からりとなる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)