“掴取”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つかみと50.0%
つかみどり50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と徳利を突出した、入道は懐から、鮑貝あわびがい掴取つかみとって、胸を広く、腕へ引着け、がんの首をじるがごとく白鳥の口からがせて
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
天守てんしゆ主人あるじは、御身おみ内儀ないぎ美艶あでやかいろ懸想けさうしたのぢや。もない、ごふちから掴取つかみとつて、ねやちか幽閉おしこめた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
塵埃ほこりつによ。お前様方まえさんがたは美くしい手で恐しい掴取つかみどりをしなさるね。今のあの男は二円八十銭の買物をして、五円渡してったじゃないか、そこであっしの買物が二円さ、しかえ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それを又た聞伝えて、掴取つかみどりのないと思った世の中に、これはうまい話と、親子連で瞽者ごぜ真似まね、かみさんが「片輪でござい」裏長屋に住む人までが慾には恥も外聞も忘れて来ました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)