“塵埃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほこり41.4%
じんあい29.6%
ごみ13.3%
ちりほこり4.4%
ぢんあい3.0%
ちり2.5%
ちりあくた1.5%
ぼこり1.0%
あか0.5%
あくた0.5%
けがれ0.5%
ごみくた0.5%
ちりひぢ0.5%
ちりぼこ0.5%
ちりぼこり0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むしろを垂れた小屋のまえには、弱々しい冬の日が塵埃ほこりにまみれた絵看板を白っぽく照らして、色のさめたのぼりが寒い川風にふるえていた。
半七捕物帳:02 石灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
理髪肆とこやの男の白いころもは汚れてるし、小間物屋ののきは傾いてるし、二階屋の硝子窓は塵埃ほこりに白くなつてるし
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
闇夜を光被する燃えたつ流星のあとに、通っても見分けがたいほどの、光った塵埃じんあいが、ほのかな細かい光りが、やって来たようなものであった。
「身は是れ菩提樹ぼだいじゅ、心は明鏡台めいけいだいの如し。時々に勤めて払拭ほっしきせよ。塵埃じんあいかしむることなかれ」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
今のいままでざるの川ながれ塵埃ごみ集結かたまりと見えていた丸い物が、スックと水を抜いて立ちあがったのを眺めると、裸ん坊の泰軒先生!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その縮れた豚の油は露路から流れて来る塵埃ごみを吸いながら、遠くから伝わる荷車の響きや人の足音に絶えずぶるぶるとふるえていた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
常には目立たぬ塵埃ちりほこりが際立つて目につく、職員室の卓子テーブルの上も、硯箱やら帳簿やら、皆取片付けられて了つて、其上に薄く塵が落ちた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
塵埃ちりほこりのそのつややかなる黒髪をけがす間もなく、衣紋えもんの乱るるまもなくて、かうはなりはてられ候ひき。
凱旋祭 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
通された二階は全部雨戸が閉ざされて俄に引きあけた一室には明るく射し込んだ夕日と共に落ち溜つた塵埃ぢんあいの香がまざ/\と匂ひ立つた。
竪穴は風雨の作用塵埃ぢんあい堆積たいせきの爲、自然に埋まる事も有るべく、開墾かいこん及び諸種の土木工事の爲、人爲を以てうづむる事も有るべきものなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
「よツぽど早うおましたで、ちいと増してやつとくなはれ。」と、ろくに汗もかゝねば疲れた風もなくて、車夫は腿引もゝひき塵埃ちりを沸ひ/\言つたが、
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
オルガンが講堂の一隅かたすみ塵埃ちりに白くなって置かれてあった。何か久しぶりで鳴らしてみようと思ったが、ただ思っただけで、手をくだす気になれなかった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
大坊主頭の五十六、七、金を塵埃ちりあくたのごとく見るように馴らされた男です。
その中の一ツは出入りの安吉やすきちという植木屋が毎年々々手入ていれの松の枯葉かれは、杉の折枝おれえだ、桜の落葉、あらゆる庭の塵埃ちりあくたを投げ込み、私が生れぬ前から五六年もかかってようやくに埋め得たとう事で。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
二百十日の蒸暑い風が口の中までジャリ/\するように砂塵埃ぼこりを吹き捲って夏けのした身体からだは、唯歩くのさえ怠儀であった。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
凡そあらゆる速力と物音とを失って、麗らかな日ざしを宿したうす塵埃ぼこりのかげろうの底で、静かに蠕動するそのたあいもない姿を、私はこの上もなく愛した。
風船美人 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
しかし塵埃あかたまるから、始終いつもそれを綺麗に掃除しておかねばならない、ということばは、たいへん意味ふかいものです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
煩悩まよい塵埃けがれを、スッカリ掃除することができました。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
微々ちいさな小諸の銀行を信州一と言われる位に盛大おおきくなすった程の御腕前は有ながら、奥様の為には一生の光栄ほまれ塵埃ごみくた同様に捨てて御了いなすって、人のめるのもうらやむのもうれしいとは思召さないのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
身は塵埃ちりひぢ八重葎やへむぐら
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
塵埃ちりぼこりにまみれたかざり窓と広告のげた電柱と、——市と云う名前はついていても、都会らしい色彩はどこにも見えない。
十円札 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
が、そういう品々は、十数年間人の手によって、手入れをされたことがないと見え、び、よごれ、千切れ、こわれ、塵埃ちりぼこりにさえも積もられていた。
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)