“ほこり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ホコリ
語句割合
72.9%
塵埃13.2%
4.0%
2.3%
矜持1.3%
1.1%
1.0%
土埃0.8%
埃塵0.3%
塵土0.3%
(他:17)2.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
胴丸どうまるに積もるほこりうづたかきに目もかけず、名に負へる鐵卷くろがねまきは高く長押なげしに掛けられて
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
山奥の桜の花は、じつにきれいで、都会の公園の花のようにほこりをかぶっていませんし、平野の花のように色あせていません。
山の別荘の少年 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
見れば丑松はすこし逆上とりのぼせた人のやうに、同僚の前にひざまづいて、恥の額を板敷の塵埃ほこりの中に埋めて居た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
本尊の如来仏によらいぶつが唯さびしさうに深い塵埃ほこりの中に埋められたやうにして端坐してゐるばかりなのをかれは見た。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
が、セエラの凛とした顔を見、ほこりのある声を聞くと、自分の力が空しく消えて行ったような気がして、口惜しくなるのでした。
ヨブのこれらのことばに彼らはそのほこりきずつけられ、そしてエリパズはその返報としてヨブを責めるのである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
で、この増長天王にあらん限りの華麗と熱と、若々しさとほこりと、自分の精血せいけつそそごうとする意気をもった。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
清潔好きれいずきかれには派手はで手拭てぬぐひ模樣もやう當時たうじほこりひとつであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それに、扱いかねている女中の様子と、馴染の無い客に対する妓の冷淡とが、何となく二人の矜持ほこりきずつけた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「私はぶつ倒されたの。」と云ふのが、私のきずつけられた矜持ほこりの痛みが、私をして吐き出すやうに云はした露骨な説明であつた。
泉原いずみはらは砂ほこりまみれた重い靴を引きずりながら、長いC橋を渡って住馴すみなれた下宿へ歩を運んでいた。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
だから熊さんの水撒車の通ったあとは、いくら暑い日でも涼しくて、どんな風の強い日でも、ほこり一ツ立ちませんでした。
たれかやったのか。誰だ、誰だ、今ごろ。なんだ野火か。地面のほこりをさらさらさらっと掃除する、てまへなんぞに用はない。」
楢ノ木大学士の野宿 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
ほこりだらけの円タクが加奈子を突倒しでもするように乗りつけて来てブレーキをかけても異様な音と共に一二すん乾いた土の上を滑る。
豆腐買い (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
にはとり幾群いくむれも幾群も、其下に出つ入りつこぼれた米を土埃ほこりの中にあさつてゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
両側の店にはもう明りが附いている。少し風が出て、土埃ほこりを捲き上げる。看板ががたがた鳴る。天下堂の前の人道を歩きながら、大村が「電車ですか」と問うた。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
小停車場は、埃塵ほこりをかぶって白かった。
踊る地平線:10 長靴の春 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
汽船の速力も次第に緩く、岸には赤煉瓦の建物や倉庫らしいものも見え出して来て、縫ふやうにへりに並んで生えてゐる楊柳やうりうの緑についさつきから吹き出した蒙古風もうこかぜがすさまじくきいろ埃塵ほこりを吹きつけてゐるのを眼にした。
(新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
野猪いのししよりもなお疾く塵土ほこりを蹴立てて飛び来し清吉。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
野猪ゐのしゝよりも尚疾く塵土ほこりを蹴立てゝ飛び来し清吉。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
拳を挙げて丁と打ち猿臂ゑんぴを伸ばして突き飛ばせば、十兵衞堪らず汚塵ほこりまみれ、はい/\、狐につままれました御免なされ、と云ひながら悪口雑言聞き捨に痛さを忍びて逃げ走り
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
十兵衛たまらず汚塵ほこりまみれ、はいはい、狐につままれました御免なされ、と云いながら悪口雑言聞き捨てに痛さを忍びて逃げ走り、ようやくわが家に帰りつけば、おおお帰りか、遅いのでどういうことかと案じていました
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
またもう一つは、ひどく淫事をたしなむようになったという事で、彼女は夜を重ねるごとに、自分の矜恃ほこりしぼんでゆくのを、眺めるよりほかになかった。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
いと憎き矜恃ほこりなりけり孔雀はも餌を拾ふにも尾をいたはりつ
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
田代君はあらゆる蒐集家に共通な矜誇ほこりの微笑を浮べながら、卓子テーブルの上の麻利耶観音と私の顔とを見比べて、もう一度こう繰返した。
黒衣聖母 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
不幸にも時と所とを間違えて天上から送られた王女であるとまで自分に対する矜誇ほこりに満ちていた、あの妖婉ようえんな女性はまごうかたなく自分なのだろうか。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
彼らが驕慢ほこりの気の臭さを鉄囲山外てついさんげつかんで捨てよ、彼らのこうべを地につかしめよ、無慈悲の斧の刃味のよさを彼らが胸に試みよ、惨酷ざんこくの矛
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彼等が驕慢ほこりの臭さを鉄囲山外てつゐさんげつかんで捨てよ、彼等の頭を地につかしめよ、無慈悲の斧の刃味の好さを彼等が胸に試みよ、惨酷の矛、瞋恚しんいの剣の刃糞と彼等をなしくれよ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
金中かねのなかの虫は肉眼ひとのめにおよばざる冥塵ほこりのごとき虫ゆゑに人これをしらず。
已を得ず後に従いて参りますと、床は塵垢ほこりの上に鼠の糞、時々顔を撫でるのは蜘蛛の巣でございます、人の気配に驚いて逃げ廻る鼠の音にも私は縮み上りました。
蛇性の執念 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
びんずる尊者の古い木像には、薄白く塵芥ほこりなどが溜まってい、奥の薄暗い仏壇には、仏具が乏しく飾ってあり、香の煙りなども立っていた。ずいぶん古いお堂なので、かびの匂いなども鼻についた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
吹上るほこりの中の雲雀ひばりかな 呈笑
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
戻して貰へ、といふ、その「貰へ」といふ語が矜持心ほこりの強い健の耳に鋭く響いた。そして、適確きつぱりした調子で言つた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
湯村の車が右に避けようとしたその車輪のきはどい間をくゞり、重い強い発動器の響を聞かせて、砂埃ほこりの無い路を太いゴム輪が真直にむかうせた。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
ちょいと内証で、人に知らせないようにる、この早業はやわざは、しかしながら、礼拝と、愛撫と、謙譲と、しかも自恃ほこりをかね、色を沈静にし、目を清澄にして、胸に、一種深き人格を秘したる、珠玉をしのばせる表顕ひょうげんであった。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
恋はネほこりよ 女の衿
極楽とんぼ (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
戻して貰へ、といふ、その「貰へ」といふことば驕持心ほこりの強い健の耳に鋭く響いた。そして、適確きつぱりした調子で言つた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)