トップ
>
塵
>
ほこり
ふりがな文庫
“
塵
(
ほこり
)” の例文
だから熊さんの水撒車の通ったあとは、いくら暑い日でも涼しくて、どんな風の強い日でも、
塵
(
ほこり
)
一ツ立ちませんでした。
日輪草:日輪草は何故枯れたか
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
と言いながら、一人の御客様は
袂
(
たもと
)
から銀縁の大きな眼鏡を取出しました。玉の
塵
(
ほこり
)
を
襦袢
(
じゅばん
)
の
袖口
(
そでぐち
)
で拭いて、
釣針
(
つりばり
)
のように
尖
(
とが
)
った鼻の上に載せて見て
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
わたくしは草稿を入れた大きな紙袋の三ツ四ツ、
塵
(
ほこり
)
だらけになつたのを棚の上から取おろして渡したことがあつた。
来訪者
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
生きている様にこちらを向いて笑いかけている
大黒
(
だいこく
)
様の顔だとか、すごい様な美人の青ざめた首だとか、それが薄ぼんやりした五燭程の電燈に照されて、
塵
(
ほこり
)
だらけのガラスの中に
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
泉原
(
いずみはら
)
は砂
塵
(
ほこり
)
に
塗
(
まみ
)
れた重い靴を引きずりながら、長いC橋を渡って
住馴
(
すみな
)
れた下宿へ歩を運んでいた。テームス川の堤防に沿って一区
劃
(
かく
)
をなしている忘れられたようなデンビ町に彼の下宿がある。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
▼ もっと見る
果して世の中はこれほど
塵
(
ほこり
)
っぽく騒々しくあらねばならないものだろうか。
深く静に各自の路を見出せ
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
いよいよ競馬の催が始まるということになりましたので、四千の群集は
塵
(
ほこり
)
を揚げて、馬場の
埒際
(
らちぎわ
)
へ吾先にと
馳
(
か
)
けて参ります。源は黄色い土烟を
嗅
(
か
)
いで
噎返
(
むせかえ
)
りました。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
丁度其女房が箕を振る度に、
空殻
(
しひな
)
の
塵
(
ほこり
)
が舞揚つて、人々は黄色い烟を浴びるやうに見えた。省吾はまた、母の
傍
(
わき
)
に居る小娘を指差して、彼が
異母
(
はらちがひ
)
の妹のお作であると話した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
塵
漢検準1級
部首:⼟
14画
“塵”を含む語句
塵埃
塵芥
砂塵
黄塵
微塵
粉微塵
塵溜
塵払
塵塚
承塵
塵取
塵労
塵屑
風塵
汚塵
塵土
塵垢
藍微塵
木端微塵
木葉微塵
...