“袂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たもと99.1%
そで0.2%
たも0.1%
だもと0.1%
ふところ0.1%
ふり0.1%
もと0.1%
わか0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
裏藪うらやぶの中に分け入ってたたずむと、まだ、チチッとしか啼けないうぐいすの子が、自分のたもとの中からでも飛んだように、すぐ側から逃げて行く。
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
楽浪ささなみ比良山風ひらやまかぜうみけばつりする海人あまそでかへる見ゆ 〔巻九・一七一五〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
御自分ごじぶんはかくしたまへども、他所行着よそゆきぎのおたもよりぬひとりべりの手巾はんけちつけしたるときくさ、散々さん/″\といぢめていぢめて、いぢいて、れからはけつしてかぬ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
思慮にただしてみるいとまもなく、右門もあわてて毒をんだ。ふたりは抱き合って、橋だもとの崖のふちに立った。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
喜いちゃんはふところから二十五銭出して私の前へ置きかけたが、私はそれに手を触れようともしなかった。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
眉山が予備門(今の高等学校)へ通う時分、その頃は制服がなかったので思い思いであったが、眉山は何時いつでも黄八丈のふりの長い羽織を着ていた。
その頃筋違見附、今の万世橋まんせいばしたもとは、丸ノ内、日本橋から、上野へ、甲州街道への要路で、警戒の厳重なところであり、人出の多いところでもありました。
その日の午後、私達は碓井の麓でわかれを告げた。リュックサックも何もなしに、雨傘一本で山から山へと歩いてゆく、友達の身軽な姿を私は振り返って見送っていた。
独り旅 (新字新仮名) / 若杉鳥子(著)