“縫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぬ72.5%
ぬい12.0%
ぬひ11.5%
ぬっ1.0%
ほう1.0%
く0.5%
と0.5%
ぬは0.5%
や0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
正吉(しょうきち)の父親(ちちおや)は、自分(じぶん)は男(おとこ)で、着物(きもの)を縫(ぬ)えないが、だれか人(ひと)にたのんで、子供(こども)にだけなりと暖(あたた)かい着物(きもの)を着(き)せてやりたいと思(おも)いました。
幸福のはさみ (新字新仮名) / 小川未明(著)
何か出て来るかもしれないと勘次が上部(うえ)へ指を入れると、触った物があるから引き出した。紫縮緬(むらさきちりめん)女持の香袋(においぶくろ)、吾妻屋の縫(ぬい)がしてある。
張箍(はりわ)の女袴(をんなばかま)を穿(は)いた官女(くわんぢよ)よ、橡(とち)の木(き)よ、三葉形(みつばがた)の縫(ぬひ)を置いて、鳥の羽根(はね)の飾をした上衣(うはぎ)を曳(ひき)ずる官女(くわんぢよ)よ、大柄(おほがら)で權高(けんだか)で、無益(むやく)の美形(びけい)。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
老婆は大きな眼鏡をかけて冬の仕事に取かかって襤褸(つづれ)を縫(ぬっ)ている……鳥籠の上に彼方(かなた)の家根(やね)の上から射し下す日は温(あたた)かに落ちて
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
○百樹(もゝき)曰、牧之老人が此草稿(したがき)を視(み)て無縫塔(むほうたふ)の縫(ほう)の字義(じぎ)通(つう)じがたく誤字(ごじ)にやとて郵示(ひきやくたより)して問(と)ひければ、無縫塔(むほうたふ)と書伝(かきつたへ)たるよしいひこしぬ。雲根志(うんこんし)には無帽塔(むはうたふ)とあり、無帽(むはう)の字(じ)も又通(つう)じがたし。
デモ母親は男勝(おとこまさ)りの気丈者、貧苦にめげない煮焚(にたき)の業(わざ)の片手間に一枚三厘の襯衣(シャツ)を縫(く)けて、身を粉(こ)にして掙了(かせ)ぐに追付く貧乏もないか、どうかこうか湯なり粥(かゆ)なりを啜(すすっ)て
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
時がたちさえすれば、罅(ひび)の入ったお今の心が、それなりに綺麗に縫(と)じ合わされたり熨(の)されたりして行くとしか思えなかった。
爛 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
見てヤレ/\夫は御手柄々々(おてがら/\)先生の事ゆゑ定めし斯あらんと存じ仰付(おほせつけ)られ通(とほ)り醫師も招(まね)き置(おき)燒酎(せうちう)白木綿(しろもめん)玉子(たまご)とも調(とゝの)ひ置候なりと云つゝ半四郎倶々(とも/″\)新藤夫婦を奧へ伴(ともな)ひ醫師に診(みせ)市之丞の疵口を縫(ぬは)せ療治を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「も少し日射(ひあたり)の好い部屋で縫(や)ったら可さそうなものだな。そして火鉢(ひばち)もないじゃないか」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)