“火鉢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひばち99.4%
ばち0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
朝小間使の雪が火鉢ひばちに火を入れに来た時、奥さんが不安らしい顔をして、「秀麿ひでまろの部屋にはゆうべも又電気が附いていたね」と云った。
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
駕籠かご……また夏座敷なつざしきだとまをすのに、火鉢ひばちをかんかん……で、鉄瓶てつびん噴立ふきたたせるなど
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宗助そうすけ自分じぶん火鉢ひばちあひだはさまつてゐるあを封筒ふうとうつて細君さいくんわたした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
秋の日影もややかたぶいて庭の梧桐ごとうの影法師が背丈を伸ばす三時頃、お政は独り徒然つくねんと長手の火鉢ひばちもたれ懸ッて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
しかし、どこからも発言するものがなかった。室内はしんとして、ほうぼうにすえてある火鉢ひばちの中で、かすかに、炭火のはねる音がきこえていた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
たまにそれとなく入っていって柳沢の留守に老婢ばあさんと茶の間の火鉢ばちのところで、聞かれるままにお前のうわさばなしなどをしたりして、ついでに柳沢の遊ぶ話など老婢さんが問わず語りにしてきかすのをきいても、それからお宮のところへはあまり凝ってゆかぬらしい。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)