“火”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひ72.6%
び11.1%
ほ7.5%
か2.5%
くわ1.1%
ヒ1.1%
ホ0.8%
や0.6%
あかり0.6%
ビ0.6%
ひい0.3%
あか0.3%
い0.3%
くゎ0.3%
ほのほ0.3%
も0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私(わたくし)は漸(やうや)くほつとした心(こころ)もちになつて、卷煙草(まきたばこ)に火(ひ)をつけながら、始(はじめ)て懶(ものう)い睚(まぶた)をあげて、前(まへ)の席(せき)に腰(こし)を下(おろ)してゐた小娘(こむすめ)の顏(かほ)を一瞥(べつ)した。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
一本(ぽん)の大きな木の、うつろになった中に入(はい)って、犬(いぬ)どもを木のまわりに集(あつ)めて、たくさんたき火(び)をして、その晩(ばん)は眠(ねむ)ることにしました。
忠義な犬 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
一切異議申間敷(もおすまじく)候と抑えられていた代(よ)であったから、定基の妻は中々納まっては居なかった、瞋恚(しんい)の火(ほ)むらで焼いたことであったろう。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
是(これ)は偉(えら)い!……畫伯(ぐわはく)の自若(じじやく)たるにも我折(がを)つた。が、御當人(ごたうにん)の、すまして、これから又(また)澁谷(しぶや)まで火(か)を潛(くゞ)つて歸(かへ)ると言(い)ふには舌(した)を卷(ま)いた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
湯は槽(ふね)の四方に溢(あぶ)れおつ、こゝをもつて此湯(ゆ)温(ぬる)からず熱(あつ)からず、天工(こう)の地(ち)火(くわ)尽(つく)る時なければ人作(じんさく)の湯も尽(つく)る期(ご)なし、見るにも清潔(せいけつ)なる事いふべからず。
また、「キ、ヒ、ミ」も「月(ツキ)」が「月夜(ツクヨ)」となり、「火(ヒ)」が「火中(ホナカ)」となり、「神(カミ)」が「神風(カムカゼ)」となり、「身(ミ)」が「むくろ」(骸)となり、「木(キ)」が「木立(コダチ)」になります。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
イ段の仮名にあたる音がオ段にあたる音に(木(キ)—木(コ)の実、火(ヒ)—火(ホ)の秀(ホ)—焰)
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
女学子は時勢に激するところありて「膝栗毛」の版を火(や)かんと言(いへ)り。われは女学子の社界改良の熱情に一方ならぬ同情を有(たも)つものなり。
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
石室も元のようにして蝋燭の火(あかり)を消して其処等(そこいら)をも片付けて、厭がるお蘭の手をとって、連れ立ち、鴨居の横を西に切れて東浦賀へ出まして、徳田屋と申す舟宿がありまして
宵闇の深くならぬ先に、廬(イホリ)のまはりは、すつかり手入れがせられて居た。燈臺も大きなのを、寺から借りて來て、煌々と、油火(ビ)が燃えて居る。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫、釈迢空(著)
「おつう、汝(われ)まつと此處(ここ)さ火(ひい)とつてくんねえか」卯平(うへい)はそれだけいつて依然(いぜん)として火(ひ)もない煙管(きせる)を噛(か)んだ。おつぎは麁朶(そだ)を折(を)つて藥罐(やくわん)の下(した)を燃(も)やしてやつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
然し火(あか)りが洩れてる所をみると、或はまだ竹内が居るかも知れなかった。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ねまき姿もしどけなく、恐怖と昏迷に白い顔をひきつらせて、キッと立っている妻恋小町(つまごいこまち)——知(し)らぬ火(い)小町(こまち)の半身に、かたわらの灯影が明るくゆらめき、半身は濃(こ)むらさきの闇に沈んでいる。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「蝎(さそり)ぼしが向ふを這(は)ってゐますね。あの赤い大きなやつを昔は支那(しな)では火(くゎ)と云ったんですよ。」
土神と狐 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
火(ほのほ)来りて身に逼(せま)り、苦痛己(おのれ)を切(せ)むれども、心に厭(いと)ひ患(うれ)へず、出(い)でんことを求むる意(こころ)無し
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
極熱(ごくねつ)の日(ひ)に火(も)ゆる
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)