“点火”のいろいろな読み方と例文
旧字:點火
読み方割合
とも23.1%
つけ23.1%
ひとも15.4%
あかり7.7%
かけび7.7%
つけび7.7%
とぼ7.7%
ひともし7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
バスクが戻ってきて、点火ともした蝋燭ろうそくを一本暖炉の上に置き、また出て行った。ジャン・ヴァルジャンは首をたれ、あごを胸に埋めて、バスクにも蝋燭にも目を向けなかった。
ようございます、今更帰れもせず、提灯を点火つけることも出来ませんから、何様せ差して居るのでは無い其の蝙蝠傘かうもりをお出しない。然様〻〻さう/\
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「何かやり出せア、それに凝って、子供に飯食わすことも点火ひともすことも忘れてしまっている。」
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
間もなく方丈では主客うちくつろいでの四方山よもやまの話がはじまった。点火あかりもわざと暗くした風情ふぜいの中に、おのおのぜんについた。いずれも草庵そうあん相応な黒漆くろうるしを塗った折敷おしきである。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それへつないだ導火線みちびきなわ点火かけびしたではござりませぬか。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
市川という男は、あれは点火つけびをして歩く奴だ。どうもあの男は諸方ほうぼうへ火を点けて歩いて困る
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
今度は新しい蝋燭へ点火とぼしたが、此の時更に聞こえた、イヤ聞こえる様な気のしたのは人の溜息とも云う可き、厭あな声である、実に厭だ
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
そうでなくてさえこんな大家は、点火ひともし前には戸を立てるものだ。ましてやこんな物騒な晩には、閉じ込めてしまうのが当然だ。——と云うことも知ってはいたが、やはりうかうか出て来たところを
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)