“頤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あご70.0%
おとがい20.3%
おとがひ5.6%
あぎと3.0%
これ0.4%
おとがへ0.2%
くび0.2%
をとがひ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると、巡査は癪にさはつたやうに、「おい、おい」とあごを振つて注意し、——「そら、病院のや、いれとけ、いれとけ」と叱つた。
釜ヶ崎 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
鼻からおとがいまで、馬づらにだぶだぶした、口の長い、顔の大きな、せいは四尺にも足りぬ小さな神官かんぬしでござりましたそうな。ええ、夫人おくさま
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
我見しにひとりおとがひより人の放屁する處までたちわられし者ありき、中板なかいたまたは端板はしいたを失へる樽のやぶれもげにこれに及ばじ 二二—二四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
日蔭の身に離されぬ面隠つらがくしの笠を眉深まぶかにして、あぎとの紐を結びながら、今、神田濠の茶屋をスタスタ出て行ったのは大月玄蕃だった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
れから寝ようと思って雨戸を締めようという所へ、土手の生垣を破って出たのは土手の甚藏、頭脳は破れて眉間これからこれへ掛けて血は流れ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
鹽原君大得意の能弁のうべんを以て落語二席をはなす、そのたくみなる人のおとがへき、く当日の疲労ひろう寒気かんきとをわすれしむ、其中にもつねに山間に生活せいくわつする人夫輩に至りては、都会に出でたるのかんおこ
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
文久慶応の頃は人心のはなはだ殺伐な時で、辻斬つじぎりがしばしば行われた。源三郎は或夜御成道おなりみちで何者にかくびを斬られた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
だつて、眼鏡めがねかうとして、蝙蝠傘かうもりがさをとがひおさへて、うつむいたとおもふと、ほら/\、帽子ばうしかたむいて、重量おもみしづして、てるうちにすつぼり、あかはなうへかぶさるんだもの。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)