“くび”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クビ
語句割合
60.1%
17.6%
10.9%
2.9%
首級1.9%
1.1%
馘首0.9%
0.8%
0.8%
0.6%
頸部0.4%
0.3%
頸首0.3%
0.2%
生首0.1%
0.1%
0.1%
失業0.1%
0.1%
罷免0.1%
頚部0.1%
0.1%
頸筋0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小腰をかがめておうな小舞こまいを舞うているのは、冴々さえざえした眼の、白い顔がすこし赤らみを含んで、汗ばんだ耳もとからほおへ、頬からくび
大橋須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ところかほわりあたまうすくなりぎたふとつたをとこて、大變たいへん丁寧ていねい挨拶あいさつをしたので、宗助そうすけすこ椅子いすうへ狼狽あわてやうくびうごかした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
三味線堀の中山半七郎が、風呂の帰りを路地の中で襲われ、自分の手拭でくびり殺された上、家の中は滅茶滅茶に荒されていたのです。
こと細かに申し上げても仕方のないことですが、この不景気と事業不振で先月の末に二十人ぐらいの工員のくびを切ったのです。
五階の窓:03 合作の三 (新字新仮名) / 森下雨村(著)
一人の武士が太刀の先に首級くびをつらぬいて、高くさし下げ、その周囲を巡って五、六十人の武士が踊りつ笑いつ叫んでいるのが見えた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
陪審人が僧正ビショップの夕餐にあずかるためには、罪人が一人くびり殺される——って。だいたい、父という人物が、そういった僧正ビショップみたいな男なんです。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
会社の方はべつに馘首くびにはならなかったが職場を変更されて、採炭には直接関係のない坑外の人車捲きの係りに廻された。
夕張の宿 (新字新仮名) / 小山清(著)
型のくずれた中折を冠り少しひよわな感じのするくびから少しいかった肩のあたり、自分は見ているうちにだんだんこちらの自分を失って行った。
泥濘 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
老人はいながら、顔の向をうしろへ変える。ねじれたくびに、行き所を失った肉が、三筋ほどくびられて肩の方へり出して来る。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
橋のたもとに眠りし犬くびをあげてその後影を見たれどえず。あわれこの人墓よりや脱けでし。たれに遇いれと語らんとてかくはさまよう。彼は紀州なり。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
それがお前、お美野さんの頸部くびを見りゃあ案の定、ありゃ細引きで縊れたもんじゃあねえ。もっと幅のある、こうっと、手拭いででも絞めたもんだ。手口は一眼でわからあな。
更に「し人を殺すをたしなまざる者有らば、天下の民皆くびを引いてこれを望まん、誠にかくの如くんば民のこれに帰するほ水のひくきに就くが如し、沛然はいぜんとして誰かくこれをふせがん」
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
千鈞せんきんの重さで、すくんだ頸首くび獅噛しがみついて離れようとしません、世間様へお附合ばかり少々櫛目を入れましたこの素頭すあたま捻向ねじむけて見ました処が、何と拍子ぬけにも何にも
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
縮却項暗嗟吁 くび縮却ちぢめ ひそかに嗟吁さう
僧堂教育論 (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
「たった今、この庭へ、二十七、八の浪人が、女の生首くびをかかえ、血刀を引ッさげたまま、逃げこんで参ったのを、御承知はあるまいか」
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
憎むが如く、笑うが如く、また泣くが如く——そこに屈んでいた人間は、女の生首くびを、手から、転がして、また頬摺ほおずりをした。
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれそのたけなはなる時になりて、御懷より劒を出だし、熊曾くまそが衣のくびを取りて、劒もちてその胸より刺し通したまふ時に、そのおとたける見畏みて逃げ出でき。
その衣くびを取りてき出でて、たちを拔きてうち殺したまひき。
刑吏は曾を捕えて厳しく訊問した後に、とうとう極刑を以て、処分することになった。それは手足を切りおとし、次にくびを斬って死刑に処するのであった。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
反対あべこべに、出刃を振廻したとか、振廻さぬとかで、結局失業くびになって此方、ブラブラして居る。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
と膝に手を突いて起上りますると、鼠小紋ねずみこもん常着ふだんぎ寝着ねまきにおろして居るのが、汚れッが来ており、お納戸色なんどいろ下〆したじめを乳の下に堅くめ、くびれたように痩せて居ります。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
丁度その頃、静粛で品行の正しいことをあれほど愛好した哀れな例の教師が、あまり馬鹿げていたためか、それとも何か他に原因があってか、とにかく学校を罷免くびになったのである。
そして、博士が静かに屍体を抱き上げると、モウパア警部が、その頚部くびに固く食い込んでいる窓掛カアテンの紐を解いた。
ロウモン街の自殺ホテル (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
文久慶応の頃は人心のはなはだ殺伐な時で、辻斬つじぎりがしばしば行われた。源三郎は或夜御成道おなりみちで何者にかくびを斬られた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その正木博士の二十年間の苦心が、そのまま私の頸筋くびに捲き付いて来るような気がしたので……。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
利鎌とかま二三に さ渡るくび二四