“頸筋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くびすじ87.2%
くびすぢ9.2%
えりすじ1.8%
うなじ0.9%
くび0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と船長がしゃがれた声でプッスリと云った。同時にまゆの間とほっペタの頸筋くびすじ近くに、新しい皴が二三本ギューと寄った。冷笑しているのだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ガラツ八は頸筋くびすぢを掻いたり、顏中をブルブルンと撫で廻したり、仕方澤山に探索の容易ならぬことを呑込ませようとするのです。
つぶやきつつ、提灯差附け凝視みつむれば、身装みなりこそ窶々やつやつしけれ、頸筋えりすじの真白きに、後毛おくれげにおいこぼるる風情、これはと吉造首をひねって、「しっかりせい。」襟よりずっと手を差入れ
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小平太はふたたび「はッ」と言ったまま、頸筋うなじを垂れて、じっと考えこんでしまった。そこまで知っていられては、もう是非ぜひがない。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
その正木博士の二十年間の苦心が、そのまま私の頸筋くびに捲き付いて来るような気がしたので……。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)