“嗄”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
29.5%
しわが27.7%
しゃが16.1%
7.9%
かす5.1%
しはが3.8%
から2.4%
しゃ2.4%
しやが2.1%
しわ2.1%
(他:3)0.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“嗄”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語34.6%
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語19.0%
文学 > 英米文学 > 小説 物語16.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
氏のあの低い、れた声で、あの壁の厚い書斎からあんなことを云ったって、ずっと離れている夫人の部屋へ声が届く筈が無い。
名古屋の小酒井不木氏 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それが大変うまく、緩急をつけて、なかなかちょっと誰にでもはやれない地唄の中のゆるし物をれた渋い声で唄って来る。
京のその頃 (新字新仮名) / 上村松園(著)
男はしばらく身動きもしなかったが、やがて静かにだがひどくしわがれた声で、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏と唱えるのであった。
いのちの初夜 (新字新仮名) / 北条民雄(著)
いくらかしわがれたような女の地声で繰り返していう。私はいきなり電話口へ自分の口をぴたりと押し付けたいほどの気になって、
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
揚錨絞盤キャプスタンてこを𢌞すのに調子を合せて歌ってしゃがらしたらしい、高い、老いぼれたよぼよぼの声だった。
ジェリーは鞍の上でぎょっとした。「そいつあまたとてつもなく奇妙な御返事ですねえ。」と彼は精一杯のしゃがれ声で言った。
彼の声は、鶏のようにシャれてしまった。おぎんは、どこにも見えないのだった。姉をよぶ声が次第に絶望的になってきた。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
妖物ダムドシング?」と、彼は見かえりもせずに答えぬ。その声は怪しくうられて、かれは明らかにおののけり。
義経の声も、おののいて、情のたかぶりのみが、ことばの上にかすれていたし、頼朝の耳も、いたずらに熱していた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、ふたたびダンス場の桃色の迷宮のなかで僕は、かすれ声のジャズ・シンガーの唱う恋歌に聞きれていた。
だから、冗談じようだんを云ひかける客には、思ひもつかぬしはがれて太くなつた声で応酬して驚かすのである。
日本三文オペラ (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
『あゝ貴方あなたこゝれられましたのですか。』とかれしはがれたこゑ片眼かためほそくしてふた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「一体どんな様子だね。」その声は声をからして叫ぶやうで、号令に疲れた隊長が、腹を立てゝ何か云ふやうに聞えた。
病者は自ら胸をいだきて、まなこねむること良久ひさしかりし、一際ひときわ声のからびつつ、
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と云う、しゃがれたうちたんの交じった、冷飯に砂利をむ、心持の悪い声で、のっけに先ず一つくらわせた。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、お前がそういう私の先を越して云った。こんどは何か私に突っかかるようなしゃがれごえだった。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「いゝえ。」十二時が鳴つた。私は、小時計が銀の鐘聲を、柱時計がしやがれた顫へる打音を終る迄待つて、さて話を進めた——
「その譯はね、若しあなたが嫌だと云つたら、私はどんな恐ろしいことをやり出すか分らないからなんです。」彼の聲はしやがれてゐた。
かたわらから、夫人が身体を乗りだして来た。これも、長煙管を、火鉢の縁で、コンコン鳴らしながら、男のようなしわがれ声で、
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
畔柳博士は、鷺太郎をかえり見て、そういった。その声は、火煙のためにしわがれてはいたが……。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「どなた?」と中からしはがれた女の声がした。私は一瞬間ほつとした。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「どう致しまして、」と奥でしわがれた声がして、つゞい咳嗽せきがして、火鉢の縁をたたく煙管きせるの音が重く響いた。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
もう此頃になると、山はイトはしいほど緑に埋れ、谷は深々と、繁りに隠されてしまふ。郭公クワツコウは早く鳴きらし、時鳥が替つて、日も夜も鳴く。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)