“しわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シワ
語句割合
93.9%
1.7%
1.3%
0.7%
紫波0.7%
0.3%
0.1%
仕分0.1%
吝嗇0.1%
0.1%
子和0.1%
0.1%
皺線0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お茂與といふ美しい年増は、帶の間から紙入を出して、その中から小さく疊んだ半紙を拔き、しわのばして平次の方へ滑らせたのです。
伯父の一人は自殺し、一人は家を出て、気違いのようにしわくなった祖父と五十年つれそった祖母との間に不思議な生活が始まった。
しわがれた女の声で『誰だね、門を敲いてるのは? 何を騒いでるだね?』と言うのを主従は耳にした。
白ペンキ塗の厚縁あつぶち燦々きらきらで、脾弱ひよわい、すぐにもしわってはずれそうな障子やからかみしきりの、そこらの間毎まごとには膏薬のいきれがしたり、汗っぽい淫らな声がえかけたりしている。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
この遠征の結果として、今の岩手県の中部地方、和賀、稗貫ひえぬき紫波しわの三郡を設置しました。けだしこの辺までは、完全に帝国の版図に加わったのであります。
本州における蝦夷の末路 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
それは、両手を胸に組み、深いしわ眉根まゆねに寄せて、顔には何やら、悩ましげな表情を漂わせていた。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そのきあげられたかた衣物きものしわすこつて身體からだ確乎しつかとさせてせる。あらはれたうでにはこん手刺てさし穿うがたれてある。やうやあついとうておつぎはしろ菅笠すげがさいたゞいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ねえよ、よう」と與吉よきちまた強請せがむ。ときはもうかはしわつてけたゑぐが與吉よきちせられる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そういって二人ふたりは笑った。倉地は返事を出すほうに岡のその手紙を仕分しわけた。葉子はそれを見て軽い好奇心がわくのを覚えた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ごく吝嗇しわひと御座ございまして、旦
吝嗇家 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
尤も、その節約に実がいりすぎて爺さんのはちとしわくなっている。
神楽坂 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
張従正、あざな子和しわ睢州すゐしう考城の人、金大定明昌の間医を以て聞え、興定中太医に補せられた。我源平の末、鎌倉の初に当る。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
さて竜に生まるるは、必ずしも瞋痴ばかにおこった者に限らず、吝嗇けちな奴も婬乱な人も生まれるので、けちな奴が転生した竜は相変らずしわく、みだらなものがなった竜は、依然多淫だ。
深くふかく喰ひこんだその太い力強い皺線しわをよくみろ
しわくちやになツた大島染の袷を着た、モ一人の男は、両手を枕に、足は海の方へ投げ出して、不作法にも二人の中央まんなかに仰向になツて臥て居る。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
このしわいお料理をんでいるから、知っています。
それあの何とかいういさんがいたっけなあ。勝安芳かつやすよしよ。勝なんぞも苦労をしたが、内の親父も苦労をしたもんだ。同じ苦労をしても、勝はしわい命を持っていやぁがるから生きていた。
里芋の芽と不動の目 (新字新仮名) / 森鴎外(著)