“吝嗇”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
りんしょく47.5%
けち33.1%
りんしよく5.9%
しみつたれ2.5%
けちん1.7%
けちんぼ1.7%
しわんぼう1.7%
けち/\0.8%
しみた0.8%
しみっ0.8%
(他:4)3.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“吝嗇”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語18.2%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸9.7%
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語6.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
あたかも一握りの黄金を握りしめてる吝嗇りんしょく家のように、戦々兢々きょうきょうとして自分だけを守ってる愛情だった。
吝嗇りんしょくなその家ではそうした残り肴をとられても口ぎたなくののしられるので、お菊は驚いて猫を追いのけようとした。
皿屋敷 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
私は卑屈で、しかも吝嗇けちであるから、こちらから名乗ってお礼を言う勇気もなく、お酒を一本呑んで、さっさと引き上げた。
俗天使 (新字新仮名) / 太宰治(著)
彼は妙に落着きがなくなり、大抵の男鰥おとこやもめがそうであるように、だんだん疑い深くなり、吝嗇けちくさくなって行った。
しかれはかれ吝嗇りんしよくなるのではなく、扮裝なりなどにはまつた無頓着むとんぢやくなのにるのである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
悪い意味に使つて置いて、いかんいかんと威張つてゐるのは、菜食を吝嗇りんしよくの別名だと思つて、天下の菜食論者を悉しみつたれ呼はりするのと同じ事だ。
芸術その他 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
自分は實際、この計算と來ると、吝嗇しみつたれな金持の爺が己の財産を勘定して見る時の樣に、ニコ/\ものではてもれないのである。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
自分は実際、この計算と来ると、吝嗇しみつたれな金持のぢぢいが己の財産を勘定して見る時の様に、ニコ/\ものでは兎てもれないのである。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
いつもの如く臺處から炭を持出して、お前は喰ひなさらないかと聞けば、いゝゑ、とお京の頭をふるに、では己ればかり御馳走さまに成らうかな、本當に自家うち吝嗇けちんぼうめ八釜しい小言ばかり言やがつて
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
本当に自家うち吝嗇けちんぼうめやかましい小言ばかり言ひやがつて、人を使ふ法をも知りやあがらない、死んだお老婆ばあさんはあんなのでは無かつたけれど、今度の奴等やつらと来たら一人として話せるのは無い
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それを多食する吝嗇けちんぼの女房はよく眼を病んで堀端ほりばたで鍋を洗つてゐた。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
戸外そとから見た時、明るい窓が一つあったでしょう。それがこっち側の回転窓を通して見た、この壁燈の光なんです。け放しなんて——こんなことは、ラザレフの吝嗇けちんぼが狂人にでもならなけりゃ、てんでありっこないのですがね。」
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ですから今では殆んど吝嗇しわんぼうとか、欲張りの代名詞になっています。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
年が若く無ければアノ吝嗇しわんぼうな支那人ですもの何うして白髪を染めますものか、年に似合ず白髪が有てく/\見ッとも無いからやむを得ず染たのです(荻)是は感服だ実に感服(大)サア是から後はじきに分りましょう支那人の中で独楽を弄ぶ位の子供があって、年に似合わず白髪が有て、夫で其白髪を染て居る、此様な支那人は決して二人とは有ません(荻)そうとも/\
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
悪戯いたづらなくせに、大飯食おほめしぐらひばかり揃つて居て——はゝゝゝゝ、まあ君だから斯様こんなことまでも御話するんだが、まさか親の身として、其様そんなに食ふな、三杯位にしてひかへて置け、なんて過多あんまり吝嗇けち/\したことも言へないぢやないか。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あンまり珍しうおまへンぜ、とかく上方はな、この東京と正反対で、一度に十円位までの奴は吝嗇しみたれて汚ない、しかし一夜に二三十円以上の阿呆になると、これこそ小気味よう図抜けてゐまツせ、雪駄の裏金に小判を付けたり、三日目毎に襦袢から帯から羽織着物は勿論
上方者の啖呵 (新字旧仮名) / 村上浪六(著)
それにしても収穫みいりの悪いのに慣れている彼の金の使いぶりは、神経的に吝々けちけちしたもので、計算に暗いだけになお吝嗇しみったれていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ごく吝嗇しわひと御座ございまして、旦
吝嗇家 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
何時いつ吝嗇つましい権兵衛が
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
また、或る人は、ご叮嚀ていねいにも、モンテーニュのエッセエの「古人の吝嗇つましさに就いて」という章を私に見せて、これが井伏の小説の本質だなどと言った。すなわち、
『井伏鱒二選集』後記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
私は、沼男ニツケルマンのやうな顔つきで穴倉の湯に蹲つては、過剰金の嵩ばかりを計算してゐる吝嗇シムプルさ加減を見れば見るほど、慨歎の至りと感ずるだけであつた。
風流旅行 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)