“吝嗇坊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けちんばう33.3%
けちんぼう22.2%
しわんぼう22.2%
けちんぼ11.1%
しわんばう11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「梨枝ちやん、パパはね、叔母さんのことを吝嗇坊けちんばうだつておつしやるのよ。あたし、そんなに吝嗇坊かしら?」
落葉日記 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
このよく乾いた、清潔な、狭苦しい自分だけの住居すまいに隠れ、彼はうちいっぱいに場所を取り、吝嗇坊けちんぼう巾着きんちゃくみたいに膨れている。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
どうか私がただの吝嗇坊しわんぼうで、お金のことをやかましく云うのだと見下ないで下さいね? 私あなたがたが黙ってても心でさぞいやしい女だと思っているだろうと思うととても辛いの。
(新字新仮名) / 宮本百合子(著)
吝嗇坊けちんぼな癖に借りた物を返すのが嫌いな矢島とそれに私、とこう八人の男と波子、品子、菊江、雪子の女四人のこの総勢十二人の取り残されたものたちには
時間 (新字新仮名) / 横光利一(著)
女房かないは世間並に一人あるが、醜婦すべたかせにんで、加之おまけに子供を生む事を知らないので、金は溜る一方であつたが、夫婦とも揃ひも揃つた吝嗇坊しわんばうで、寄附事といつたら鐚銭びたせん一つでも出し惜みをした。